東邦チタニウムサウジ工場、スポンジチタンの試験生産に成功

 東邦チタニウムは、初の海外拠点として年内の本稼働を目指しているサウジアラビアのスポンジチタン合弁工場でスポンジチタンの試験生産に初めて成功した。還元・分離工程の設備機能を確かめる実機試験の中で製造したもので、本格的な生産開始には今しばらく時間がかかる見込み。

 還元・分離工程では、反応容器の中で原料の四塩化チタンを高温のマグネシウムと反応させるなどしてスポンジチタンを製造する。今回は同工程のみを対象とした1回目の試験。試験は成功裏に終わり、8月12日に反応容器からスポンジチタンの塊を押し抜いた。

 同工場は同国西部のヤンブーに2017年5月に完成した。当初計画では18年初の本稼働を目指していたが、工場周辺の施設整備の遅れで計画がずれ込んでいる。足元では引き続き操業開始に向けた準備を進めており、年内の本稼働を目指す。

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