新幹線長崎ルート 武雄-長崎間「実質負担額の明示を」 事業費増で長崎県が国に要求意向

 九州新幹線長崎ルートの武雄温泉-長崎の建設費総額が約5千億円から約6200億円に膨らむ見通しとなったことについて長崎県は7日、増額分約1200億円のうち長崎県内分の951億円の内訳として長崎県の実質負担額がいくらになるのか国に明らかにするよう求める考えを示した。長崎県は「年末には国から一定示されるのでは」とみている。

 長崎県内14団体でつくる長崎新幹線建設推進実行委(八江利春会長)で示した。

 国土交通省は8月下旬、人件費高騰や工事用進入路の見直しなどで、建設費がさらに1188億円増える見通しを長崎県に説明した。その内訳は長崎県内の事業費が951億円、佐賀県内の事業費が237億円だった。

 ただ、整備新幹線の建設費はJR側が負担する施設使用料(貸付料)を充て、残りを国が3分の2、地元自治体が3分の1ずつ負担する仕組み。長崎県が951億円のうち実質いくらを負担するかは不明という。長崎県新幹線事業対策室は国土交通省に「増額が真にやむを得ないのか確認したい」と詳細な説明を求める考えも示した。

 委員からは「びっくりするような増額」「新幹線費用が大きくなり、道路など他の事業に影響しないのか心配」などの声が出た。長崎県新幹線事業対策室は「新幹線の費用が増えたからと土木部の予算が削られないよう努力したい」とした。

 整備方式が未定の新鳥栖-武雄温泉については、八江会長がフル規格実現に向けた要望活動を報告。5日に側面支援を求めた熊本県幹部らとの面談では九州新幹線鹿児島ルートについて「当初は鹿児島の独り勝ちじゃないかと思っていたが熊本県も経済発展した」という趣旨の話を聞いたとし「佐賀県に伝えてほしいと要請した」と述べた。

九州新幹線長崎ルートの武雄温泉ー長崎の増額などについて議論した実行委=県庁

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