激坂ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージはカナダのウッズが逃げ切って区間初優勝

(©Bettiniphoto)

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スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月12日にバスク地方のゲチョをスタートし、標高925メートルでカテゴリー1のバルコン・デ・ビスカヤ頂上にゴールする157kmの第17ステージを競い、カナダのマイケル・ウッズ(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)が逃げ切ってグランツール区間初優勝を果たした。

メイングループは霧に覆われた最後の激坂を、地元スペインのエンリック・マス(クイックステップフロアーズ)が、ポイント賞のマイヨ・ベルデを着たアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)と一緒に先頭でゴール。総合リーダーのマイヨ・ロホを着た英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)は、2人より8秒遅れたが、総合首位の座は守ることができた。しかし、総合2位のバルベルデとのタイム差は25秒に縮まった。

前日の個人タイムトライアルで快走し、総合3位になったオランダのスティーブン・クライスウエイク(チームロットNL・ユンボ)は、激坂の終盤にブレーキがかかり、イエーツよりも1分近く遅れてゴール。彼は総合5位へと後退した。コロンビアのナイロ・キンタナ(モビスターチーム)は、ゴールの激坂で早々とメイン集団から脱落したが、終盤持ち直してクライスウエイクと一緒にゴールし、2分11秒遅れの総合6位になった。 __

中級山岳区間にカウントされていた第17ステージは、164選手がスタート。前日に区間優勝したオーストラリアのローハン・デニス(BMCレーシングチーム)は、予告通り出走しなかった。

スタートと同時に地元バスク出身のペリョ・ビルバオ(アスタナプロチーム)がアタックしてレースは始まった。最初のカテゴリー3の峠でビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)やラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)を含めた21人の大きなグループが集団から逃げ出すことに成功した。ここに区間優勝したウッズも加わっていた。

逃げにはベルギーのトーマス・ドヘント(ロット・スーダル)も加わっていたため、山岳賞ジャージを着たルイスアンヘル・マテ(コフィディス)も加わろうと試みたが、できなかった。16.7kmの最初のカテゴリー3の峠はドヘントが先頭で通過した。35km地点で、先頭の逃げ集団はメイン集団に2分半のタイム差を付けていた。その後、追走していた選手たちが合流し、先頭は26人にまで膨らんだ。

85.2kmのカテゴリー3の峠もドヘントが先頭で通過。タイム差は8分にまで開いたが、メイン集団はバスクのUCIプロコンチネンタルチームであるエウスカディバスクカントリー・ムリアスが先頭を引き、ゴールまで残り51kmで7分16秒に縮まった。続くカテゴリー2の峠を先頭で通過したドヘントは、マテのポイントを逆転して山岳賞の総合首位に立った。彼はこの日、もう一カ所あったカテゴリー3の峠も先頭で通過してポイントを稼ぎ、マテとの差は10ポイントにまで広がった。

終盤に入り、メイン集団はアスタナプロチームが先頭を引き続けた。ゴールまで残り7.3kmで、最後のバルコン・デ・ビスカヤの登坂がスタート。先頭集団はメイン集団にまだ4分近いタイム差を付けて逃げていた。集団ではファビオ・アルー(UAEチーム・エミレーツ)が落車して負傷したが、レースを続けることはできた。

メイン集団は次第に小さくなり、最初にリゴベルト・ウラン(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)とティボー・ピノ(グルパマ・FDJ)が遅れた。最初に仕掛けたのはバルベルデだったが、イエーツをアシストするジャック・ハイグ(ミッチェルトン・スコット)が引き戻した。ここでキンタナがメイングループから遅れてしまった。

先頭の逃げ集団では、ゴールまで残り1.4kmでダビド・デラクルス(チームスカイ)がアタックし、ウッズが付いていったが、残り1kmでディラン・トゥンス(BMCレーシングチーム)とマイカが追いついて4人になった。そこから残り600メートルでトゥンスがアタックして先行したが、すぐウッズに追い抜かれてしまった。ウッズはそのまま先行し、独走でフィニッシュラインを通過した。

メイン集団はアダム・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)がマイヨ・ロホを着ている双子の兄弟を引き続け、バルベルデ、クライスウエイク、マス、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が生き残っていた。そこからロペスが加速したが、抜け出すことはできなかった。

ゴールまで残り1kmになり、バルベルデが再び攻撃すると、付いて行けたのはマスだけだった。2人はこの中級山岳区間で、マイヨ・ロホを着たイエーツに8秒差を付けることに成功した。

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■グランツール区間初優勝を果たしたウッズのコメント
「ボクにとって特別な瞬間だ。ボクはゴールでとても前進した。沿道でボクの名前を叫んでくれる人たちがたくさんいたんだ。最後の500メートルでチームカーに乗っていたボクのコーチは、無線でボクに家族のことを考えろと行った。妻は妊娠37週で子供を失った。ボクたちはその子をハンターと名付けるつもりだった。妻は1ヶ月前に父親もなくした。とても厳しい年だったんだ。

最後にボクはトゥンスを打ち負かした。加速した時、残りの距離はそんなに多くはないと思った。それからボクは残り500メートルの看板を見たんだ。まだ2分努力することを考えた。落ち着こうとした。ボクは家族のことや、ボクの小さなハンターのことを考えようと努力したんだ。この地域もボクにとっては特別だった。ボクはバスクでレースするのが好きなんだ。ここのファン素晴らしいからね」

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■第17ステージ結果[9月12日/ゲチョ~バルコン・デ・ビスカヤ/157km] __
1. MICHAEL WOODS (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / CAN) 04H 09' 48''
2. DYLAN TEUNS (BMC RACING TEAM / BEL) + 05''
3. DAVID DE LA CRUZ (TEAM SKY / ESP) + 10''
4. RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL) + 13''
5. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) + 38''
6. ALESSANDRO DE MARCHI (BMC RACING TEAM / ITA) + 44''
7. AMANUEL GHEBREIGZABHIER (TEAM DIMENSION DATA / ERI) + 48''
8. JESUS HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) + 51''
9. JAI HINDLEY (TEAM SUNWEB / AUS) + 55''
10. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN - MERIDA / ITA) + 01' 48''

14. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 02' 40''
15. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02' 40''
17. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 02' 48''
18. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 02' 50''
22. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 03' 44''
23. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03' 44''
24. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 03' 53''
25. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 04' 09''
26. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 04' 10''
33. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 05' 26''

■第17ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 69H 05' 34''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 25’’
3. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) + 01’ 22’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 01’ 36’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 48’’
6. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 2’11’’
7. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 04’ 09’’
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 04’ 36’’
9. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 05’ 31’’
10. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 06’ 05’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
■山岳賞: THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
※第18ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞:OMAR FRAILE MATARRANZ (ASTANA PRO TEAM / ESP)

第18ステージは平坦区間

MAP : Unipublic

9月13日は、エヘア・デ・ロス・カバジェロスからリェイダまでの186.1kmで、山岳ポイントがなく平坦区間の第18ステージが行われる。スプリンターにとっては貴重なステージだ。総合を争う選手たちにとっては、ピレネー山岳決戦前のつかの間の休養ステージになるだろう。

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