JFE建材、高強度橋梁用鋼材使用の鋼製セグメントを量産 トンネル向けに6000トン納入

 JFE建材(社長・久保亮二氏)は18日、橋梁用高性能鋼材「SBHS700」を用いた鋼製セグメントの量産体制を熊谷工場(埼玉県熊谷市)で確立したと発表した。JFEスチールとの連携により実現したもので、板厚75ミリまでの確性試験を実施して性能を確認。2本のシールドトンネルを地中で一体化する高速道路の分流部に板厚70ミリのセグメント約6千トンが初適用された。「SBHS700」が構造物に採用されるのは国内初で、今後さらなる適用拡大を図っていく方針。

 鋼製セグメントはシールドトンネル工事などで使用される鋼殻。分流部は多大な応力に耐え得る高強度と耐久性を有する品質が要求される。初適用案件では従来の高強度鋼材(SM570―H、降伏点450N/平方ミリメートル)での対応では板厚が極厚となり、構造の成立が難しい状況にあった。この解決に向け強度や靭性、製作面でより優れた鋼材の採用が検討され、JFE建材とJFEスチールがこれに迅速に対応した。

 「SBHS700」は降伏点700N/平方ミリ、引張強度780メガパスカル級と最高強度のグレードの橋梁用高降伏点鋼材。今回採用が検討された当初から両社は共同で素材の試圧や加工性、および溶接性など各種確性試験、実物大セグメントの製作試験などを実施。素材の供給から製品製作まで安定した高品質のセグメント製造体制を確立した。素材はJFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)から供給する。

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