ニューエイジ、最新鋭ガス溶断機が稼働 切板の生産性向上、厚物強化

 厚板溶断加工業のニューエイジ(本社・茨城県結城郡八千代町若、社長・炭本英治郎氏)は、切板加工の生産性向上を目的に本社・茨城工場のNCガス溶断機1台を更新した。ピアシング(通孔)用の先穴あけドリルを装備した最新鋭設備で、さらには吹管の能力も高めたことで厚物サイズの切板を効率よく高品質に安定加工できるのが特長だ。

 稼働開始から30年を経過し、経年劣化したガス溶断機1台を、最新鋭設備にリプレースした。導入したのは「PC―5000CNC」(コータキ精機製)。9月中旬から本格稼働体制に入った。

 設備入れ替えに合わせて機体レール幅を2メートル縮めて6メートル(従前は8メートル)とし、これによって創出したスペースを母材置場として有効活用する。溶断前の母材を定盤のすぐ脇に置き、配替えに要する横もちの手間(動線)と時間を最短にすることで構内物流の改善・生産性向上につなげる。

 また、機体背面にはピアシング用の先穴あけドリルを装備した。夜間のうちにピアシング用の下穴をドリルであけておくことで昼間の有人操業時の切板生産性を引き上げる狙い。特に厚物サイズをガス溶断する際、ピアシング時間の短縮がカギとなるのでその効果への期待は大きい。吹管能力を高めたのも厚物対応強化の一環だ。

 本社・茨城工場は建機向けを主体にガス、プラズマ、レーザのほか開先加工や曲げ加工、機械加工など厚板の切断から二次加工まで一気通貫で手掛ける。

 今回は老朽化更新のため設備保有台数は変わらないが、最新鋭設備を導入したことで品質面や生産性の向上はもちろん、稼働安定性も高まった。

 同社は千葉県夷隅郡にも厚板溶断加工工場を2拠点有しており、全社あわせて直近の扱い量は月間1900トン(母材ベース)。千葉工場でも今夏から今秋にかけてマシニングセンタやバンドソー、ガス溶断機を順次、設置する計画だ。

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