ともにワールドシリーズでの注目度は上位、ブレイシアは「波に乗っている」
レッドソックスとドジャースが世界一をかけて激突するワールドシリーズ(WS)が23日(日本時間24日)にボストンのフェンウェイパークで開幕する。米メディアは、頂上決戦のロースター入りが予想される両軍50選手を列挙。セットアッパーとして2年連続の参戦となるドジャースの前田健太投手とレッドソックスの元広島のライアン・ブレイシア投手はともに高い評価を受けている。
頂上決戦に臨む50選手の評価を掲載したのはESPNだった。レッドソックスはMVP最有力候補のムーキー・ベッツ外野手、ドジャースは主砲ジャスティン・ターナー内野手と期待度の高い選手から名前が挙がり、その後も両チーム順番に注目選手を紹介。クリス・セール投手、クレイトン・カーショー投手の両先発左腕、レッドソックスの主砲JD・マルティネス外野手と続く。
そんな中、元広島のブレイシアは両チームで17番目、レッドソックスでは9番目に登場。寸評では頂上決戦に至るまでの苦労人の道のりにスポットライトを当てている。
「8年前に、ブレイシアが2Aアーカンソーでノーヒッターを達成した時にも、そこまでのプロスペクトではなかった」
昨年広島と契約した右腕は、外国人選手枠の問題で活躍はできず。今年もレッドソックスとは当初マイナー契約だった。だが、そこからブレイシアの躍進が始まり、7月にメジャー契約を結んだ。
「98マイル(約158キロ)の速球で(メジャーリーグに)返り咲き、異様なほど低いBABIPとリーグ6位の防御率で、ボストンのセットアッパーの1番手として波に乗っている」
打者のインプレー打率を表す指標BABIPで.198、防御率は1.60という成績を残したブレイシアの無双ぶりを高く評価している。
ドジャースには「マエダを信頼する理由がある」
一方、セットアッパーの前田は全体20番目、ドジャースでは10番目で登場。寸評では日本人右腕の宝刀を絶賛している。
「リリーバーに通常4つの球種は必要ない。マエダがブルペンへ配置転換となると、カーブを捨てて、スライダーを多投することになった。そのボール(スライダー)により、ストライクの数、ボール球を振らせる数、空振りを奪う数が飛躍的に増えた」
プレーオフでは切り札のスライダー重視の投球に切り替えていると言及した上で「この違いは防御率では分かりづらいが、ドジャースが最も重要なセットアップの場面で、マエダを信頼する理由がある。彼は基本的に四球を出さず、全体的な空振り率はブルペンから登板する場面では、約30%上昇する」と指摘。キレのあるスライダーで猛者を空振りに仕留める前田の能力がドジャース最高のセットアッパーたらしめていると分析している。
リーグ優勝決定シリーズでは4試合に登板したものの、暴投での失点やピンチを作って降板する場面もあり、自身の出来に満足していないことを明かしていた前田。レギュラーシーズン108勝を挙げた“最強”レッドソックスを相手に実力を見せつけたいところだ。(Full-Count編集部)