福山雅治さん発案「クスノキ基金」新設へ 被爆樹木を保存

 長崎県長崎市は19日、被爆樹木の保存整備費に充てる「クスノキ基金」を新設する方針を明らかにした。長崎市出身のシンガー・ソングライター福山雅治さんが山王神社(長崎市坂本2丁目)の「被爆クスノキ」保存のために呼び掛けた募金を母体とする。

 27日開会予定の定例長崎市議会に提出する議案など計35件に、基金新設のための関連条例案を盛り込んだ。

 長崎市によると、福山雅治さんの呼び掛けにより、所属事務所が2014年12月に募金を開始。集まった約450万円を長崎市に寄付する予定という。募金は今後も受け付ける。

 長崎市が保存対象とする被爆樹木30本のうち21本を民間が所有。現行では保存整備費のうち所有者が4分の1を負担していたが、今後は基金から充当するため所有者負担がなくなる。長崎市は基金新設の関連条例案が可決され次第、基金を設置。本年度は樹木6本を整備する予定で、所有者負担分の計約94万円を基金から補助する方針。

 一般会計補正予算案は総額90億6600万円。来年度中に全市立小中学校に設置予定の空調設備関連費42億8200万円も盛り込んだ。補正後の一般会計予算は2218億6800万円となる。

 長崎市はこのほか、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する「端島炭坑」(軍艦島)が台風の損壊で上陸禁止となっている問題について、復旧工事完了が来年1月下旬になる見通しを示した。

 長崎市議会議会運営委員会は19日開き、定例会を27日~12月14日の18日間と申し合わせた。

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