被爆2世健診 拡充 長崎市 医療機関を139カ所に

 長崎市は22日、今月から被爆2世が健康診断を受診できる市内の医療機関を16カ所から139カ所に拡大したことを明らかにした。被爆者の子ども、孫に当たる被爆2世、3世の援護施策拡充を申し入れていた県被爆二世の会(丸尾育朗会長)など関連3団体への回答で示した。一方、3団体側は2世、3世の支援につなげるため、生活や健康などの実態調査なども市に求めたが、市は国の責任で実施すべきだとの見解をあらためて示した。
 国は各都道府県と長崎、広島両市に委託し、被爆2世を対象に、血液や尿検査などの年1回の無料健診を実施。今回の拡大は、2世が高齢化する中、利便性を高める狙いだ。長崎市とは別に、県が契約する医療機関は同市内の69機関を含め県内に256機関(10月末時点)。
 3団体は毎年、市と県に援護拡充の申し入れをしている。市役所で回答を受けた3団体側は、独自の施策に否定的な市の姿勢について「被爆2世に寄り添ってない」などと批判した。
 一方、22日に回答した県は、県内の被爆2世を対象にした実態調査の実施を検討する方針を示した。3団体側は「前向きな検討をお願いしたい」と求めた。

© 株式会社長崎新聞社