【平成の長崎】ハウステンボスが会社更生法申請 負債総額2289億円 営業は継続 平成15(2003)年

 佐世保市の大型テーマパーク「ハウステンボス」(HTB、森山道壯(みちたけ)社長)は2月26日、長崎地裁佐世保支部に会社更生法の適用を申請、経営破たんした。同支部は申請を受理した後、管轄を東京地裁に移送、同地裁が保全管理命令を出した。負債総額は約2289億円。九州では2,001年2月のフェニックスリゾートグループ(宮崎市)に次ぐ大型破たんとなった。
 長引く景気低迷に加え、初期投資の借り入れ約2250億円が負担となった。営業はこれまで通り継続し、従業員の雇用は確保するとしている。
 HTBは同日朝、臨時取締役会を開き、役員全員の辞表を受理。今後、中川一樹副社長ら五人で再建委員会を設ける。同法の適用を受けることで債務を大幅に削減、外部に依頼して新たな支援企業を選定する方針。
 記者会見した森山社長は「昨年秋からの旅行客の減少、消費単価の低迷などで資金繰りに支障を来す懸念が出てきた。事業再生は十分に可能だが、多額の債務を背負ったままでは競争に勝てず、事業継続を目指した法的枠組みでの更生法を申請した。ぎりぎりの選択だった」と述べた。(平成15年2月27日付長崎新聞より)
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会社更生法の適用を申請したハウステンボス

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