「危険なバス停」現地診断始まる 移設を含め対策検討へ

 信号機がない上、横断歩道に近接し、停車車両などで死角が生じやすい県内の危険性の高いバス停について、神奈川県警と道路管理者、バス事業者による合同現地診断が3日、始まった。県警はこうしたバス停が県内に84カ所あるとして名称を公表。危険度の高い順にA(9カ所)、B(32カ所)、C(43カ所)の3段階に分類し、年内に全箇所で現地診断を行い、バス停の移設を含めた安全対策を検討、実施していく方針だ。

 3日に現地診断が行われたのは、A判定された横浜市栄区の久保バス停。県警と市栄土木事務所、江ノ電バス横浜の3者が、停車したバスが横断歩道に踏み入れない間隔を測定するなどした。

 江ノ電バス横浜によると、県警の調査時点で約9メートルあったバス停と横断歩道の間隔を20メートル程度まで広げる措置を取った。同社は「事業者として可能な範囲で早期に対応する必要があると判断した。完全に死角をなくすことはできないが、従来より横断者を確認しやすいようになる」とした。栄土木事務所も歩道と車道を区切る白線を引き直すなど、安全対策を進めるという。

 バス停の安全対策は、横浜市西区で8月に起きた小学5年の女子児童の死亡事故がきっかけ。女子児童は、横断歩道をまたぐ形で停車したバスの後方から道路を横断した際に対向車にひかれ、県警が同様の形状をしたバス停の調査に乗り出した。

横断歩道に近接した江ノ電バス横浜の久保バス停で行われた現地診断=横浜市栄区飯島町

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