【MLB】大谷と新人王争ったアンドゥハーに放出の噂が出る理由 米メディア「原因は…」

ヤンキースのミゲル・アンドゥハー【写真:Getty Images】

米メディアがアンドゥハーの守備力を分析、来季三塁を守る可能性は50%?

 エンゼルスの大谷翔平投手とア・リーグ新人王を争ったヤンキースのミゲル・アンドゥハー内野手。打撃では打率.297、27本塁打、92打点、OPS(出塁率+長打率).855と主軸として奮闘したが、三塁の守備にはシーズンを通して厳しい声が挙がっていた。守備率.948、15失策。その拙守ぶりから、今オフのトレード放出の可能性が議論されている。

 米メディア「ジ・アスレチック」は「ミゲル・アンドゥハーはどこまで優秀な選手になれるだろうか?」との見出しで、アンドゥハーの守備に関する特集記事を掲載。「立派なルーキーシーズンを過ごした」と打撃を評価する一方、「欠点も露呈した」と守備力を課題に挙げている。

 記事では「ニューヨークファンは前者(立派なシーズン)に沸き上がり、トレード候補として報道される原因に当たるのが後者(欠点の守備)である」と説明。ヤンキースでは正遊撃手のグレゴリアスがオフに右肘のトミー・ジョン手術を受けて来季開幕が絶望的。今オフのFA市場の目玉となっている強打者マチャドら内野手の補強がしばしば話題となっている。それだけに「彼は我慢強さと守備力を向上できるだろうか? 彼はトレードを成立させる駒として最適な“欠点のある選手”ということなのだろうか?」と読者に問いかけている。

三塁手としては高い打力も、一塁に転向すれば「下から数えて1/3」

「ジ・アスレチック」によると、これまで大リーグで規定打席に達した新人三塁手は111人いたという。記事では、守備力ワースト20%に当たる22人を取りあげ、その中でアンドゥハーの守備力はワースト5位にランク。さらに、守備力ワースト22人で2年目以降も三塁を守った選手の三塁平均プレー年数はわずか4年であることを記し、「もし来季も三塁でプレーすることになっても、アンドゥハーが来年から4年以上同ポジションに残っていると言うことは疑わしい」と指摘。「来季アンドゥハーが三塁を守っている可能性は50%だろう」と厳しい見通しを示している。

 アンドゥハーには持ち味の打力を生かすべく、守備の負担の少ない一塁手へコンバートするプランも話題となっている。だが、この一塁転向プランにも「ジ・アスレチック」は厳しい数字を持ち出している。来季の「得点生産力」など打撃パフォーマンスを予想した数字では、メジャー30球団の三塁手で12位にランクする一方、一塁手では21番。記事では「選手層が厚い強豪のヤンキースは一塁手のオプションもそれなりに豊富である。その中で、アンドゥハーの予想数値は三塁手としては平均以上で、一塁手としては下から数えて1/3。非常に大きな違いだ」と一塁コンバートに“難色”を示している。

 記事ではキャッシュマンGMが「彼の打撃力は(大リーグで)通用するだろうし、守備力は成長していくだろう。彼は動きが鈍い巨漢の選手ではない。守備に関しては解決できる問題だと我々は感じている」とのコメントを紹介しているが……。大谷とハイレベルな新人王争いを繰り広げた強打者アンドゥハーも決して来季安泰ではない。(Full-Count編集部)

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