特殊詐欺に気を付けて 中学生が注意呼び掛ける年賀状

 長崎市の土井首郵便局(松崎貢樹局長)などは、特殊詐欺への注意を呼び掛ける年賀状を近くの中学生や事業所と連携して制作した。元日に土井首地区内の2600世帯に配る。

 年の初めに特殊詐欺の防犯意識を高めようと、5年前から活動を始めた。年賀状の裏面イラストは市立土井首中の美術部員が手掛け、地元企業などが費用を出し合っている。長崎末石、長崎平山両郵便局も資金集めに加わった。協力企業は過去最多の19事業所。

 受話器を手にするお年寄りの背後に、犯人が忍び寄るイラストを制作した磯部太陽さん(15)=同校3年=は、「特殊詐欺は怖いイメージ。自分の絵が、被害防止につながればうれしい」。亀田康太さん(15)=同校3年=の作品は、受話器を持ったお年寄りに無数の手が近づいてくるデザイン。「犯人はいろいろな手段でだましてくる。自分も含めて、気を付けないといけない」と話した。

 松崎局長は「年賀状を受け取る側だけでなく、生徒側も特殊詐欺について考える良い機会になる。来年も続けていきたい」と説明。生徒のイラスト計8点は、土井首郵便局で1月末まで展示される。

特殊詐欺への注意を呼び掛ける磯部さん(中央)、亀田さん(右)と松崎局長=長崎市磯道町、土井首郵便局

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