五輪・スペインのレスリングチーム 島原で事前キャンプ

 島原市は21日、2020年東京五輪のレスリング競技スペインチームが「事前キャンプ」を市内で実施することが決まった、と発表した。島原復興アリーナ(平成町)を中心に、20年7月下旬から1週間程度、選手やコーチら約10人の参加が見込まれている。県内での事前キャンプ決定は、長崎市でのポルトガル競泳代表チームに続き2件目。島原市の古川隆三郎市長は市内で会見し、「島原市の施設の充実や、観光地としての知名度を世界的に認めてもらう良いチャンス」と期待した。

 東京五輪に向けては、スペイン選手を島原市に受け入れる「ホストタウン」を県と同市が国に申請し、登録されていた。島原が14年長崎がんばらんば国体のレスリング競技会場だったことや、宮原照彦・前市教育長がモントリオール五輪レスリング日本代表だったことなど、レスリングのつながりを生かし誘致を進めていた。

 事前キャンプは、各チームが大会前に開催国で一定期間調整するための合宿。市教委によると、視察したスペインレスリング連盟のフランシスコ・ハビエル・イグレシアス会長ら関係者は、市内の競技施設や宿泊場所などを高く評価。8日、同国でイグレシアス会長と古川市長が協定書に署名した。東京五輪に向けた交流事業の一環として、今月、県立島原高と県立島原工高のレスリング部員らが同国を訪問したほか、11月には同国から若手選手を受け入れる。今後、事前キャンプ中の地元イベントなど交流準備も進める。

事前キャンプ実施の合意について記者会見する古川市長(中央)=島原市役所外港庁舎

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