JRと小田急が同階層で乗り換え可能に 藤沢駅の駅舎改良

 神奈川県藤沢市は7日、藤沢駅周辺地区再整備のメイン事業に位置付ける駅舎の南北自由通路拡幅とそれに伴う駅舎改良について、具体的な形態と事業スケジュール、市の負担額を明らかにした。JR線と小田急江ノ島線の乗り換えが同じ階層でできるようになり利便性が高まると同時に、南北自由通路が拡幅されることで駅周辺への回遊性の向上が見込まれる。

 現在の藤沢駅は、小田急線の改札が1階、JRの改札が2階にそれぞれ設置されている。そのため、乗り換えの際は、改札を出て階段を昇降した後に南北自由通路を通って再び改札を通るか、両線のホームを結ぶ渡線橋を昇降しなければならない。

 JR、小田急線、江ノ島電鉄が乗り入れる藤沢駅の1日の乗降客数は約40万人。通学・通勤時間などは、自由通路内の通行と乗り換えの動線とが交錯し、混雑解消が大きな課題となっている。

 駅舎改良では、小田急線の改札を南北自由通路に面した東側(東京方面)2階に新設。JRと同じ階層での乗り換えが可能となる。また、西側(小田原方面)の2階にもJR、小田急線それぞれの乗り換え改札口を設置する。小田急線の1階改札については、小田急電鉄が存続させるかどうか検討している。

 また、南北自由通路については幅を8メートルから16メートルに拡張。市は「駅全体のバリアフリーが進み、南北自由通路が広がることで駅の南北へ向かう人の流れも生まれる。藤沢全体の活性化の一歩になれば」と期待する。

 市は今月下旬、JR東日本、小田急電鉄と基本協定を締結。小田急電鉄は2018年度中、JR東日本は19年度から基本設計に着手し、21~22年度の詳細設計を経て、23年度から工事を開始する予定。

 市によると総事業費は310億円。このうち、市の負担額は現時点で、全体の約6割となる180億円に上る見込み。事業費の詳しい内訳や完成時期については、詳細設計の後に明らかにするとした。

藤沢駅と南北自由通路の完成イメージ図(藤沢市提供)

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