Jリーグだけは優勝予想できない! 海外メディアも認める”大混戦”の面白さ

昨季Jリーグを制した川崎フロンターレ photo/Getty Images

Jリーグは欧州主要リーグに比べると予想するのが難しいリーグでもある。スペインでいうバルセロナやレアル・マドリードのような圧倒的な力を持つチームが存在しないため、明確な優勝候補というものを選び出すのが難しい。ただ、そこがJリーグならではの面白さでもある。

ブラジル『Globo Esporte』もJリーグの新シーズンに注目しており、開幕前の評価では2連覇中の川崎フロンターレに最高となる5つ星の評価をつけている。川崎にはブラジル人FWレアンドロ・ダミアンも加わり、攻撃陣には2016年MVP中村憲剛、2017年MVP小林悠、2018年MVP家長昭博とMVPトリオが顔を揃える。この攻撃陣を抑えるのは至難の業だ。

その対抗馬としては星4つの評価がつけられたアジアチャンピオンズリーグ王者の鹿島アントラーズ、オズワルド・オリヴェイラ率いる浦和レッズが挙げられている。

鹿島の戦力には同メディアも少しばかり疑問を抱いているようだが、若い選手たちの成長に期待している。日本代表で大迫勇也と争えるストライカーに育つ可能性があるFW鈴木優磨、同メディアが柴崎岳の後継者候補と期待する21歳のMF平戸太貴、まだ若すぎるが、高校サッカーを大いに盛り上げた流通経済大柏からやってきたDF関川郁万のことは昌子源の後継者候補と注目している。関川は身長が高いわけではないが、空中戦にはかなりの強さがある。今季どこかでチャンスを得られるかもしれない。

浦和の場合は選手以上に指揮官オリヴェイラが注目されている。鹿島アントラーズでタイトルを量産した名将は、昨季も浦和に天皇杯のタイトルをもたらした。今季はリーグ戦とアジアチャンピオンズリーグが大きな目標となる。期待されているのはダブル達成だ。

この3チームが上位に食い込んでくる可能性は高いが、それでも優勝予想は難しい。同メディアもそれを理解しており、Jリーグで優勝予想があまり意味をもたないものだと伝えている。

「Jリーグを知っている者なら、このリーグがどれだけバランスが取れているか理解している。優勝候補が王者としてフィニッシュすることは滅多にない」

同メディアは他にもOB宮本恒靖と再会したガンバ大阪、クラブ史上最高の時間を経験しているコンサドーレ札幌、バルセロナ化されたヴィッセル神戸、久保建英に加えてジャエルを連れてきたFC東京、攻撃的な清水エスパルス、ジョーがいる名古屋グランパス、現実的なサンフレッチェ広島と、いくつか注目のクラブの名前を挙げている。

昨季なら広島の躍進が1つのサプライズとなったが、今季はどこが台風の目となるのか。毎節見逃せないゲームばかりだ。

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