海ごみ問題など解決策探る ドローンに親しもう 五島高生らイベント 島内外100人参加 レースや海岸清掃も

フラフープなどで作ったコースでレースに挑戦する参加者=五島市、旧浜窄小体育館

 小型無人機ドローンを活用し、海ごみなど地域課題解決の可能性を探るイベント「陽洋トマト杯ドローンレース」(実行委主催)が25、26両日、五島市であった。県立五島高の生徒が中心となり、操縦体験やレース、講演会などを企画。島内外から参加した延べ約100人が楽しみながら最新技術に親しんだ。
 同校3年の福嶋通明(なおあき)さん(17)らが昨年、授業の一環で、地域課題解決や活性化にドローンを生かそうと発案。市内では、行政がドローンによる海ごみ調査や離島間物流などの計画を進めていることもあり、市民がドローンへの理解を深める機会をつくろうとイベントを企画した。
 費用は、ネット上で企画を提案し資金を募るクラウドファンディング(CF)で集めた。出資者の一人で大会ネーミングライツ(命名権)を購入した農事組合法人ベジテール代表理事、尾崎剛教さん(37)は「高校生の活動にも、島の暮らしに役立つドローン事業にも期待している。もっと大きな大会になるよう今後もサポートしたい」と話す。
 25日は三井楽町の旧浜窄小で、福嶋さんら高校生がドローンの操縦方法を教える体験会、跳び箱やフラフープなどで作ったコースでドローンを飛ばしてタイムを競うレースなどを開催。会場の体育館には家族連れなどが訪れ、初めての体験に歓声を上げていた。
 講演会では、市のドローン事業を進める市地域おこし協力隊員の濱本翔さん(37)が、市内で進めている海ごみ調査事業について、「今後はごみのデータを広く共有し、行政や清掃業者、ボランティアなど全体で海を見守れる状況にできれば」と話した。その後、岐宿町の打折教会前の海岸に約30人が集まり、海岸清掃も実施。1時間足らずで、90リットルのごみ袋20袋以上の漂着ごみを拾った。
 26日は五島高でワークショップを行い、ドローンによる地域活性化策を考案。「観光客の荷物をドローンで運ぶ」「高齢者の見守りに活用する」などさまざまなアイデアが出た。福嶋さんは「多くの人が来てくれて、操縦体験や清掃活動を通してドローンや海ごみ問題に関心を持ってもらえてよかった」と話した。

海岸に漂着したごみを集め、分類する参加者=五島市岐宿町

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