「証言の会」に秋月平和賞 半世紀で2000人分、75冊発行

第12回秋月平和賞に決まった「長崎の証言の会」の森口事務局長=長崎市役所

 核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会(朝長万左男委員長)は10日、平和運動に功績があった個人や団体に贈る今年の秋月平和賞に、創設以来50年にわたり被爆証言の記録を続けている「長崎の証言の会」を選んだと発表した。

 証言の会は1969年に発足。これまでに約2千人分の被爆証言を集め、75冊の証言集を発行した。実行委は、同会が活動を通じて原爆の非人道性を国内外に訴え、被爆者援護と核兵器廃絶を求める市民運動の連帯に貢献したと評価。長崎市役所で会見した朝長委員長は「核兵器をなくす根幹の運動だ」とたたえた。

 証言の会の森口貢事務局長(82)は「受賞はうれしく思う。証言者の数も少なくなっているが、核兵器の非人道性を訴えるため、まだまだ続けなければならない」と語った。

 秋月平和賞は、長崎の被爆医師で、平和運動をけん引した故秋月辰一郎氏の思いを引き継ごうと2008年に創設。今年で12回目となる。

 授賞式は16日、実行委が長崎市内で開く「ながさき平和大集会」である。集会では、長崎大核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎副センター長が核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会について講演。同委員会に参加したナガサキ・ユース代表団第7期生の報告もある。

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