鈴鹿8耐で26年ぶり勝利を引き寄せたいカワサキワークス。「耐久とスプリントをミックスした出来を求めた」

 いよいよ鈴鹿8耐のレースウイークに突入。2019年は公開合同テストが水曜、木曜に組み込まれたため、例年より1日早い走り出しとなっている。カワサキワークスチームのKawasaki Racing Team(KRT)が16年振りに復活。初日を終えたジョナサン・レイ(ジョニー)とレオン・ハスラム、そしてギム・ロダ監督の声をお届けしよう。

「鈴鹿8耐のためには、相当な準備が必要だった」と話すのはハスラム。ハードスケジュールのなかで2度来日し、マシンを仕上げた。

「ミザノとドニントンパークの間に、テストを行い、その後、ラグナセカがあって、非常に忙しい一カ月だったよ。ようやく本番を迎えたわけだが、ベストを尽くすしかないし、レースがとても楽しみだ」

左からジョナサン・レイ、ギム・ロダ監督、レオン・ハスラム

 ハスラムのマシンをジョニーは、どう評価したのだろうか。

「レオンのライディングは、すごくスムーズだし、僕と似ている部分が多いから、マシンはいいフィーリングだ。まだ詰めて行く余地はあるけれど、すでに、いいレベルまで仕上がっていると思う」

 初めて鈴鹿8耐で指揮を執るギム・ロダ監督は、ジョニーとハスラムは最強のコンビと自負し、戦略を練っていると語った。

「昨年は(鈴鹿8耐の)視察に来て、KHI(川崎重工)とスーパーバイク世界選手権の経験を取り入れた仕組みでやろうと話し合った。耐久とスプリントをミックスした出来を求めてKHI、KMJ(カワサキモータースジャパン)、KRTが一緒になってベストとなるパッケージを作り上げ、SBKを戦う3人という考え得る最高のライダーで勝つために様々な努力をしてきました。今こそ、その結果を出すときだ」

ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team Suzuka 8H)

 2018年は、公式予選、そしてトップ10トライアルで速さを見せつけたジョニーだが、タイムや周回数という目標ではなく、あくまで勝つことを目指すと言う。

「耐久レースは、あまりグリッドは重要ではない。レース中は雨が降る可能性もあるし、何があるのか分からない部分がスプリントレースよりも多いからね。ライバルより前でゴールして、勝つことが目標だ」とキッパリ。

 2014年にkawasaki Team GREENとして鈴鹿8耐にカムバックしたジョニー。年々、ステップを踏み、2019年はついにワークスチームKRTとして参戦する。チーム、マシン、ライダーと確実に昨年を上回る体制となった。1993年以来、カワサキ2度目の優勝をSBKトリオが引き寄せることができるだろうか。

ジョナサン・レイとレオン・ハスラム

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