長崎刺繍で「オランダ船」を 長崎歴文博で体験会

くんちの刺しゅう体験を楽しむ参加者=長崎歴史文化博物館

 伝統工芸「長崎刺繍(ししゅう)」の保存や継承、発展などに取り組むボランティア団体「長崎刺繍」再発見塾(嘉勢路子塾長)は27日、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で長崎くんちにちなんだ刺しゅうを作製する体験会を開いた。
 同塾によると、長崎刺繍は立体的できらびやかな表現が特徴。奉納踊りの衣装や傘鉾(かさぼこ)に用いられるなど、くんちとの歴史的な結び付きが強い。
 体験会は長崎のまちをくんちと刺しゅうが楽しめる場所にしようと、昨年から開いている。今回は市内から6人が参加。同塾スタッフのアドバイスを受けながら、今年のくんちの演(だ)し物「オランダ船(せん)」(江戸町)の下絵が描かれた布地に、青や赤などの刺しゅう糸を丁寧に縫い込んだ。
 くんちファンという同市出雲2丁目の主婦、上田トキ子さん(76)は「隙間ができないように糸を詰めるのが難しい。出来上がったら玄関に飾りたい」と話した。

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