SBKフランス:レイ、史上初の5連覇を達成。2戦を残して2019年シーズンのチャンピオンに輝く

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第11戦フランスラウンドがマニクール・サーキットで行われ、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)がレース1、スーパーポール・レースで2位、レース2で優勝。このフランスラウンドで、5年連続のSBKチャンピオンに輝いた。

 フランスラウンドでは、第5戦イタリア(イモラ)ラウンドの予選で怪我を負い、欠場が続いていたレオン・キャミア(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)が復帰している。

 ウエットコンディションで行われたスーパーポールでは、レイがポールポジションを獲得。2番手がマイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)で、3番手がレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)のフロントロウ。バウティスタは14番手だった。今大会は3レースの結果によってレイがチャンピオンを獲得する可能性があり、バウティスタはそれを阻みたいところだが、グリッドでは大きな差ができてしまった。

■レース1:レイとのトップ争いを制して初勝利を手にしたラズガットリオグル

 レース1はスーパーポールから天候、路面ともに回復。気温19度、路面温度21度のドライコンディションで行われた。ホールショットを奪ったのはレイで、ファン・デル・マーク、ハスラムが続く。ファン・デル・マークはオープニングラップから積極的にレイに仕掛けていく。そうする間に、3番手のハスラムにはトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が迫り、さらにファン・デル・マークを交わして2番手に浮上する。

 サイクスは2周目も果敢に攻め、5コーナーでレイとサイド・バイ・サイドの激しいトップ争いを見せ、ついにはレイからトップを奪う。3番手には11番グリッドスタートのチャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)がつけ、4番手にファン・デル・マーク、5番手にトプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)が続き、混戦の様相だ。

 序盤のトップ争いは目まぐるしく展開していった。4周目にはトップのサイクスからレイ、ラズガットリオグル、デイビス、ハスラム、ファン・デル・マークまでがほぼワンパックの状態。混戦により、何度もポジションが入れ替わる。

 ファン・デル・マークはこの週末の3レースでトップを走りながらも、優勝を飾ることができず悔しい2位。3位にはロウズが入り、パタ・ヤマハ・ワールドSBKチームが2位、3位を占めた。清成は12番グリッドからスタートし、ポイント圏内の14位でフィニッシュしている。

清成は14位でフィニッシュし、ポイントを獲得

 同じくフランスラウンドで開催されたスーパースポーツ世界選手権(WSS)とスーパースポーツ世界選手権300(WSS 300)。WSSはKawasaki Puccetti Racingのルーカス・マフィアスが2019年シーズン初勝利。チームメイトの大久保光は5位でフィニッシュしている。

 WSS 300では、2018年シーズンチャンピオンの女性ライダー、アナ・カラスコ(Kawasaki Provec WorldSSP300)が優勝。岡谷雄太(DS Junior Team)は22位だった。また、WSS 300は今大会でマニュエル・ゴンザレス(Kawasaki ParkinGO Team)が2位を獲得して2019年シーズンのチャンピオンを決めている。SBKではレイが優勝してチャンピオンを獲得、WSSではマフィアスが優勝、そしてWSS 300でもゴンザレスがチャンピオンを決めるなど、フランスラウンドはカワサキの活躍一色となった。

 以下、SBK第11戦フランス レース2の順位結果。

■SBK第11戦フランス レース2順位結果(21周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap

1 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 34’26.280

2 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 0.862

3 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 1.702

4 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 4.014

5 76 L.バズ テンケイト・レーシング(ヤマハYZF-R1) 4.989

6 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 19.939

7 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 20.130

8 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 20.305

9 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 26.564

10 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 27.855

11 36 L.メルカド オレラック・レーシングVerdNatura(カワサキZX-10RR) 30.190

12 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 32.283

13 20 S.バリアー ブリックス・パフォーマンス(ドゥカティ パニガーレV4 R) 48.000

14 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 48.298

15 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 48.703

16 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) 54.384

17 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) 3 Laps

RET 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 11 Laps(リタイア)

RET 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 19 Laps(リタイア)

RET 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 20 Laps(リタイア)

序盤から中盤にかけて、激しいトップ争いが繰り広げられた
SBKで自身初優勝を挙げたラズガットリオグル
9番グリッドスタートだった清成は18位でフィニッシュ
レイのチャンピオンを獲得を止めたいバウティスタだったが、2周目で接触転倒を喫する
トップ争いを演じるレイとファン・デル・マーク

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