【MLB】ダルは「『ブー』を『ユー』に変えた」 米メディアが復活劇を特集、代理人の“秘話”も…

カブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

代理人のジョエル・ウルフ氏「彼はカブスでとても幸せに感じている」

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」がカブスのダルビッシュ有投手を特集した。今季後半戦に圧倒的な投球を見せた右腕はどのように復活を果たしたのか。「カブスのうまくいかなかったシーズンにおいて、ユウ・ダルビッシュがどのように自分を見つけたか」とのタイトルで、代理人であるジョエル・ウルフ氏の言葉を通じて、右腕の今シーズンを振り返っている。

「ジ・アスレチック」によると、ウルフ氏は9月中旬にダルビッシュとゆっくり話をしたという。

「彼の話を聞きながら、ボディランゲージと話し方を見ていると、『ワォ、私の知る限り、彼は一番自信を持っている状態だ』と感じました。(日本から)やって来た時の彼を思い出しました。その時よりもずっと落ち着いていますが。彼は自分の仕事をやり遂げると感じました」

 記事ではダルビッシュをこう評価する。「オールスターブレーク以降、サイ・ヤング賞レベルの投球をした。体の状態が良かったからである。ボールを操り、効果的に10球種を投げるという、とんでもない能力を持った選手である」。そして「体の状態が良くなったからだけでではない」としてウルフ氏の言葉を紹介した。

「今年通訳をつけなかったのは、彼にとって大きなステップでした。彼は馴染むこと、英語を話すこと、みんなと同じように話すことに大変な努力をしました」

「リグレーフィールドの『ブーイング』を『ユーイング』に変えた」

 ダルビッシュは今年のキャンプから通訳をつけずに米メディアに対応するようになったが、これも復活の要因の1つになったというのだ。また、ウルフ氏はオプトアウト(契約破棄)の可能性についても「彼はカブスでとても幸せに感じているんです。彼とはそのこと(オプトアウト)について話していません」と話したという。今季終了後に権利を行使することなくカブスに残留する可能性が高そうだ。

 さらに、「ジ・アスレチック」は「今季、ダルビッシュは多くの新たな面を見せた」と指摘。シカゴのレジェンドであるジェイク・アリエッタ(フィリーズ)と対戦したこと、2017年ワールドシリーズで炎上したドジャースタジアムで登板し2-1で勝利したこと、オールスターブレーク後の最初の試合で先発したこと、ツイッターでカブスファンとシカゴメディアと議論を交わしたことなどを列挙し、31先発登板で「リグレーフィールドの『ブーイング』を『ユーイング』に変えた」と評価した。

 後半戦に入ってからコントロールが劇的に改善し、前半戦の評価をガラッと変えてしまったダルビッシュ。来季はエースとして、日本人初のサイ・ヤング賞獲得にも期待がかかるシーズンとなる。(Full-Count編集部)

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