ALCS敗退のヤンキース 今オフは大物先発投手の獲得に動くのか?

日本時間10月20日に行われたアストロズとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦に敗れ、今季の戦いを終えたヤンキース。「2000年代」「2010年代」といった10年区切りの「ディケード」で、ヤンキースがワールドシリーズ進出を果たせなかったのは、実に「1910年代」以来のこととなった。強力な先発三本柱を擁するアストロズの前に敗れ去ったヤンキースだが、今オフ、ヤンキースは絶対的なエースとなる大物先発投手の獲得へ動くことになるのだろうか。

ヤンキースは、第1ワイルドカードを獲得した昨季(100勝)、ア・リーグ東部地区を制した今季(103勝)と2年連続で100勝以上をマーク。これは162試合にも及ぶ長いレギュラーシーズンを戦うのに十分な戦力を有していることを意味する。しかし、ヤンキースが目指すワールドシリーズ制覇を成し遂げたのは2009年が最後。それ以降、ワールドシリーズ制覇どころかワールドシリーズ進出すら果たせていないのが現状である。

ヤンキースのワールドシリーズ制覇のために、絶対的なエースとなる大物先発投手の獲得の必要性が叫ばれてきたが、昨オフのヤンキースはパトリック・コービン(ナショナルズ)に4年以上の契約をオファーせず、今年7月のトレード市場でもザック・グレインキー(アストロズ)やマーカス・ストローマン(メッツ)、トレバー・バウアー(レッズ)の獲得には動かなかった。

今オフは、ゲリット・コール(アストロズ)がフリーエージェントとなり、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)にもオプトアウト(=契約破棄)の可能性がある。ただし、コールは西海岸でのプレイを希望していることが報じられており、ストラスバーグはオプトアウトを選択せずにナショナルズに留まる可能性もある。となると、柳賢振(リュ・ヒョンジン:ドジャース)、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、ザック・ウィーラー(メッツ)、ジェイク・オドリッジ(ツインズ)といった投手たちがフリーエージェント市場の注目株となるが、ヤンキースが求めている「絶対的なエース」と呼ぶのは難しい顔ぶれである。

そうしたことを踏まえると、昨オフにDJレメイヒューを2年契約で獲得し、ザック・ブリットンを3年契約、J.A.ハップを2年契約で引き留めたように、ピンポイントで的確な補強を施すようなオフシーズンになる可能性が高い。大きな契約は、オプトアウトの可能性があるクローザーのアロルディス・チャップマンとの再契約のみ、という可能性も十分にありそうだ。

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