映画と朗読で反核訴え 12月14、15日 長崎市でイベント

12月に開く「ナガサキ映画と朗読プロジェクト」について記者会見する稲塚さん(右)ら=長崎市役所

 映像作品の上映と原爆文学などの朗読を通して反核平和を訴える「ナガサキ映画と朗読プロジェクト」が12月14、15の両日、長崎市平野町の長崎原爆資料館で開かれる。東京の映画監督、稲塚秀孝さん(69)が中心となって民間の実行委をつくり、初めて開催。入場無料。
 稲塚さんは、広島、長崎で原爆に遭った長崎市の「二重被爆者」の故山口彊(つとむ)さんを2005年から取材。10~18年に同市で開いた「長崎国際平和映画フォーラム」(国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館主催)のプロデューサーを務めたが、今年は同祈念館が別のイベントをするため独自に開催を続けることにした。
 映画は14日に「ひろしま」(1953年、関川秀雄監督)と稲塚さんの最新作「ヒロシマ ナガサキ 最後の二重被爆者」(2019年)を上映。「ひろしま」は撮影時、被爆者らの広島市民がエキストラとして参加し、原爆投下直後の惨状をリアルに再現した作品。15日は長崎原爆に関するNHKのドキュメンタリー番組2本を上映する。
 朗読は今年の長崎平和宣言に盛り込まれた被爆者の山口カズ子さんの詩など、両日で8作品。長崎市の市民グループ「正しい日本語研修会」(天野紘さん主宰)メンバーや市内の生徒、学生らが出演。仲代達矢さん主宰の劇団「無名塾」(東京)の俳優も朗読劇などを披露する。
 稲塚さんは地元市民の協力を得て同様のイベントを県外でも開いていく考え。31日に同市で記者会見し、「映像と声を通して被爆体験の継承に関わりたい。長崎を原型に全国で展開したい」と語った。
 11月2日午後1時半から同市興善町の市立図書館で「プレ上映&朗読会」を開き「ひろしま」を上映する。参加費千円(学生500円、小学生以下無料)。問い合わせは稲塚さん(電090.3433.6644)。

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