イチゴ販売105億円 収量多い「ゆめのか」がけん引 長崎県内JA

イチゴの作付面積と販売額の推移

 長崎県内JAグループの2018年産イチゴ販売額は105億円で、18年ぶりに100億円の大台を超えた。生産者の減少に伴い作付面積が減少する中、これまでで2番目に高い。収量が多い品種「ゆめのか」を主力品種に育てたことが、販売額を押し上げた。

 県内のイチゴ生産者は、島原半島を中心に約900人。最も多かった03年ごろより約400人少なくなっている。作付面積は、03年の272ヘクタールに対し18年は211ヘクタールで、約60ヘクタール減った。
 販売額は1999年が過去最高の106億円、2000年は102億円だったが、その後は減少に転じ、06年と09年は81億円まで落ち込んだ。
 このため各JAは、収量が多く消費者が好む大玉で形がいいことが特徴の「ゆめのか」を12年に導入した。「さちのか」から転換した生産者は勉強会を開き、全農なども栽培方法をマニュアル化するなどして収量と品質を向上。17年には販売額を98億円まで戻した。
 JAながさき県央いちご部会南部支部の深山繁樹さん(41)=諫早市=は「収量が多い生産者を回って栽培技術を学んできた」と振り返る。
 「ゆめのか」を導入して7年がたち、現在の作付面積はイチゴ全体の65%を占める。1キロ当たりの販売単価は平均約1230円。JA全農ながさきによると「さちのか」より数百円高く、販売額増につながった。
 9日には100億円突破を記念した式典を雲仙市で開催。「日本一元気な産地づくり」に向けて、栽培指導を強化したり、最先端技術を活用したりして販売額を毎年5億円ずつ上乗せし、21年に120億円の達成を目指すことを確認した。
 JA島原雲仙東部いちご部会の本多衛治さん(38)=南島原市=は取材に「今まで同世代と勉強会を続けてきた。これからも交流し、産地を盛り上げていきたい」と語った。

イチゴの販売額が100億円の大台を突破。「ゆめのか」がけん引した(JA全農ながさき提供)

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