長崎県知事「一歩前進」 国交相と佐賀県知事の事務レベル確認一致で 新幹線長崎ルート

 九州新幹線長崎ルートで未着工となっている新鳥栖-武雄温泉(佐賀県)の整備方式を巡り、佐賀県の山口祥義知事が11日、赤羽一嘉国土交通相と会談し、今後の協議の在り方を事務レベルで確認することで一致したことについて、本県関係者は「一歩前進」と受け止め、協議の進展に期待を寄せた。

 「協議に向けた道筋が佐賀県と国土交通省との間で一致したことは一歩前進したものと受け止めている。本県としても議論の進展に向け、必要な対応を図っていきたい」。中村法道知事は両者の会談を踏まえ、こうコメントを出した。

 同ルートの全線フル規格化を求める意見書を賛成多数で可決している県議会。瀬川光之議長は「歴史的な経過はいろいろあるが、冷静になって協議を進めないといけない。総論としては西九州地域が高速鉄道ネットワークにつながることが大事だ。まずは議論をスタートしてほしい」と、佐賀県が協議のテーブルにつく重要性を強調した。

 同ルートの沿線自治体では新幹線開業に合わせた町づくりが進む。大村市の園田裕史市長はフル規格の実現に向け「佐賀県に理解いただけるよう国には対応を求めたい。新幹線を整備して日本をつなぐことはインバウンドの増加など国策とも合致する。佐賀市にとっても町づくりに大きな効果がある」と話した。

 一方、全線フル規格での整備を求めているJR九州は「4者協議の開催に向けた調整の動向を引き続き注視したい」とコメントした。

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