ベタンセス争奪戦 メッツとフィリーズが一歩リードとの報道

2014年から2018年にかけて5年連続で66試合以上に登板して100個以上の三振を奪った剛腕リリーバーを巡って、ナショナル・リーグ東部地区に所属する2球団が火花を散らしているようだ。MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、ヤンキースからフリーエージェントとなったリリーフ右腕、デリン・ベタンセスの争奪戦はメッツとフィリーズの2球団が先頭を走っているという。

現在31歳のベタンセスは、先発投手としては大成できなかったものの、2013年にマイナーでリリーフに転向すると急成長。メジャー定着を果たした2014年に70試合で90イニングを投げて5勝0敗、1セーブ、22ホールド、防御率1.40、135奪三振と大ブレイクを遂げ、この年から4年連続でオールスター・ゲームに選出されるなど、不動のセットアッパーとしての地位を確立した。

2017年に与四球率6.64の乱調に陥ったものの、2016年から2018年まで3年連続で奪三振率は15を超え、2014年から2018年までの被打率も.149→.157→.201→.141→.186と驚異的な水準で推移。しかし、今季は右肩の故障により9月中旬まで復帰できず、復帰初戦となった日本時間9月16日のブルージェイズ戦で右アキレス腱を部分断裂したため、わずか1試合、2/3イニングのみの登板に終わった。

とはいえ、通算117ホールド、防御率2.36、被打率.170、奪三振率14.64という圧倒的な数字を残しているリリーフ右腕の獲得に興味を示す球団は少なくなく、メッツとフィリーズを中心とした争奪戦が繰り広げられている。

ベタンセスは、ヤンキースと同じニューヨークに本拠地を置くメッツを選ぶのか、それともヤンキース時代の指揮官であるジョー・ジラルディが新監督に就任したフィリーズを選ぶのか。なお、MLB公式サイトでメッツの番記者を務めるアンソニー・ディコーモは、先発右腕のリック・ポーセロの獲得によってメッツには有力なリリーバーを獲得する資金がないとの見通しを報じており、メッツがどのように資金を捻出するかにも注目が集まりそうだ。

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