わがまち回顧 諫早支局 諫干訴訟 決着持ち越し

「破棄、差し戻し」に沸く開門派漁業者ら=9月13日、最高裁

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、国が同判決の執行力排除を求めた請求異議訴訟で、最高裁は9月13日、国の請求を認め、同判決を事実上「無効」とした福岡高裁判決を破棄、同高裁に差し戻した。国の開門義務が免除されることはなく、決着は持ち越された。
 最高裁は10年免許制の共同漁業権が2013年8月末で消滅したという理由で、同12月の開門履行期限より前に開門請求権は消滅しない-と判断。裁判長は開門確定判決について「暫定的で時の経過による事情の変動で覆りやすい」との意見を添え、他の異議事由の審理を求めた。来年2月21日から始まる差し戻し審に向け、開門派は有明海沿岸4県の漁業者をはじめ、国会や地方議員と連携した運動の再構築を急いでいる。
 一方、最高裁は6月26日付で、諫早市小長井町などの漁業者が起こした開門請求訴訟と、開門差し止め長崎地裁判決に対する別の漁業者の独立当事者参加申し立てを退けた。最高裁が「非開門」を初めて判断した“節目”だが、国は「開門」「非開門」の司法判断の板挟み状態であることに変わりはなく、解決を長引かせる責任は重い。

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