メルセデスF1チームは、チームオーダーの発令について通常は消極的だ。メルセデスのポリシーは、ドライバーのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスに“同士討ちをするな!”という唯一の指示のもと、互いに自由にレースをさせることである。
シーズン終盤、ハミルトンのタイトル獲得において重要な局面に差し掛かってから、ボッタスがサポート役に回るよう指示されることはある。
「我々は常にドライバー両名に対して中立的だと考えている」とメルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは語った。
「我々は彼らに平等な装備とチャンスを与えたいと思っているし、彼らもそのことを分かっている。メルセデス内部には隠された意図も政治もないのだ」
2020年もこのポリシーは続くという。
「バルテリにとって素晴らしいシーズンになることを願っている」とウォルフは言う。
「だが同様にルイスがベストを尽くして7度めの世界タイトルを取り、ミハエル・シューマッハーの記録に並ぶことができるよう応援していることも確かだ」
つまり、ハミルトンに7度目の世界タイトルを獲らせるためにボッタスよりも優遇することはない、ということのようだ。実際にメルセデスがどういう判断をするのかは、2020年シーズンの展開を見ていくしかないだろう。