産学官7団体トップ議論 「長崎サミット」開催

産学官7団体のトップが意見を交わした「長崎サミット」=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 産学官7団体トップが長崎地域の活性化策を議論する「長崎サミット」の第20回会合が3日、長崎市内であった。7月に丸10年の区切りを迎えるサミットプロジェクトについては「産学官の垣根が低くなり、情報共有がしやすくなった」と評価する声が上がった一方、「具体化が十分でなかった」などの課題も出た。

 サミットの開始当初に定めた、2020年度の数値目標の達成状況も報告。サミットの活動地域に当たる長崎、諫早の2市と西彼長与、時津の2町の1人当たりGDP(国内総生産)は、16年度が377万円。人口減少などもあるが、目標の331万円を上回った。
 基幹製造業は、三菱重工業長崎造船所など4社グループの生産高を、08年度と同じ5160億円とする目標を掲げていたが、18年度は4639億円。
 サミットでは今後の産業振興の取り組みについても話題に上り、中村法道知事はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ロボット関連産業などを挙げ、「県の基幹産業として経済の一翼を担ってもらえるように努力したい」と話した。
 観光では、長崎市の観光客数が18年に706万人となり、目標だった700万人を突破した。観光消費額も1497億円で目標の1300億円を上回った。
 一方、思うように伸びていないのが宿泊客数だ。18年は267万人で、目標の350万人には届かなかった。長崎市の田上富久市長は「夜の長崎を楽しんでもらう仕組みも大事」と指摘。長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は「屋台村や朝市など設置の検討が必要ではないか」と話した。
 水産では、練り製品の生産販売額は目標の120億円に対し、18年度は71億円。宮脇会頭は「『長崎かんぼこ』のブランドを広げていきたい」と語った。
 長崎サミットは10年から年2回開催。次回は7月31日の予定で、次期プロジェクトの体制や今後取り組むテーマなどを発表する。

長崎サミットの目標と実績

© 株式会社長崎新聞社