ヘイダーが年俸調停に敗れる 今季の年俸は410万ドルに決定

日本時間2月15日、ジョシュ・ヘイダー(ブリュワーズ)の年俸調停が行われ、年俸640万ドルを希望していたヘイダーの主張は認められず、今季の年俸は球団側がオファーしていた410万ドルに決定した。年俸調停に敗れたとはいえ、昨季の年俸68万7600ドルから大幅昇給となるヘイダーだが、リリーフ投手を評価する際にセーブ数ばかりが注目され、クローザーではないリリーフ投手が正しく評価されていないと不満の声を挙げた。

昨季のヘイダーは、メジャー3年目で初めてフルタイムのクローザーを務め、61試合に登板して75回2/3を投げ、3勝5敗、37セーブ、6ホールド、防御率2.62、138奪三振、被打率.155、WHIP0.81という素晴らしい成績をマーク。5月と6月に月間最優秀救援投手に選出され、2年連続でオールスター・ゲームにも選出されたほか、初の試みとなった「オールMLBチーム」のファースト・チームの一員にも選ばれた。また、ナショナル・リーグの最優秀救援投手に贈られる「トレバー・ホフマン賞」を2年連続で受賞している。

そのヘイダーがサービスタイム(メジャー登録日数のようなもの)3年未満ながら「スーパー2」として年俸調停の権利を得たため、その動向には大きな注目が集まっていた。メジャー1年目から支配的なピッチングで相手打者を圧倒してきたヘイダーだが、クローザーとしての実績は1年だけ。そして、年俸調停の結果は、ヘイダーが望んでいたものとはならなかった。

複数イニングに跨る登板を何度もこなし、負担のかかる登板を強いられてきたヘイダーは「野球は常に変化してきた。リリーフ投手を評価するシステムも変化すべきだと思う。リリーフ投手が1つの役割にとどまることは少ないのだから」と語り、リリーフ投手を評価するシステムが変化する必要性を訴えた。試合の重要な場面で登板したり、連日の登板や複数イニングの登板といった負担を強いられたり、リリーフ投手の価値はセーブ数やホールド数といった数字だけに表れるものではない。ヘイダーは、それを正しく評価してほしいと訴えているのだ。

1イニング限定の登板でセーブを稼ぐクローザーだけでなく、ヘイダーのような「献身的なリリーフ投手」を正しく評価するためのシステムを、球界は再考する時期に来ているのかもしれない。

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