仁田峠パーク&ライド導入へ 紅葉シーズン 渋滞緩和策

大勢の行楽客らで満車状態の駐車場。駐車待ちの車が列をつくる(写真左上)=2019年11月3日、雲仙市の仁田峠(渋滞対策協議会提供)

 長崎県雲仙市の仁田峠の渋滞緩和策を市、国、県などで議論する「雲仙市仁田峠渋滞対策協議会」(会長・酒井利和副市長)は今秋、近隣の駐車場からシャトルバスで送迎する「パークアンドバスライド」と、駐車場の予約制の導入に向けた実証実験を始める。紅葉シーズンなどに行楽客が集中し、駐車場待ちによる渋滞が長年懸案とされてきた仁田峠。実態調査と分析を終え、課題解決へ動きだす。
 国道57号と仁田峠を結ぶ市道小浜仁田峠循環線は、延長8.2キロの一方通行。2009年に県から市に移管され、年間約9万台が通行する。仁田峠には大型車20台、普通車200台分の駐車場がある。
 同協議会は、連休だった昨年11月2、3の両日、通行量の実態調査を実施。連休初日の2日は、午前7時半から午後6時までの間に1582台が通行。3日は1797台が通行し、午前9時前に駐車場は満車。待ち時間は最長で1時間半となり、市道のゲート前で諦めてUターンした車が別に306台いた。
 午前中の利用者のほとんどが登山客で、3時間以上駐車している車両が駐車場の半数近くを占めていた。同協議会は「午前の長時間駐車を緩和できれば、大きな改善が見込める」として、具体的な渋滞対策に着手する。
 解決策として▽市立雲仙小周辺の空き地を駐車場として活用し、シャトルバスでつなぐ「パークアンドバスライド」の導入▽仁田峠駐車場を事前予約制にして駐車台数を平準化する-の二つを柱に、10月末から11月にかけての週末に実施する。バスの発着時間や予約方法、利用料金などについては夏までに詰めていく。
 渋滞解消が確認されれば、次年度以降も継続する考え。酒井会長は「観光地として渋滞は長年の課題。利用者に気持ち良く訪れてもらうため、最良の策を探っていく」と話した。

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