F1 Topic:全チームが深夜に緊急会合、オーストラリアGP開催可否を協議か。ハースF1スタッフは陰性との噂

 スタッフのひとりに新型コロナウイルス(COVID 19)感染者が出たことで、マクラーレンF1が2020年第1戦オーストラリアGPからの撤退を発表。その事実を受け、オーストラリア・メルボルンでは23時を過ぎた時点にもかかわらず、全チームによる緊急会合が行われているようだ。

 新型コロナウイルス感染が確認されたマクラーレンF1のスタッフは、3月11日(水)に体調を崩し、ホテルで隔離療養しながら新型コロナウイルスの検査を受けた。その結果、12日(木)夕方に陽性と診断され、チームはF1オーストラリアGPに参戦しないと決断した。

 マクラーレンのスタッフ以外でも、F1のパドックではハースF1のスタッフ4人に感染の疑いがあり検査を受けている。こちらについては正式発表はないものの、メディアセンターでは「4人とも陰性だった」という情報が流れている。またF1オーストラリアGP公式Twitterでは12日22時15分時点でハースやマクラーレンのスタッフを含むF1パドック関係者合計で8名の感染検査が行われたという。

 その公式Twitterのアナウンスでも陽性反応が出たのは1人だけにとどまったが、安心するのはまだ早い。それはF1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンが、「もし1チームでも入国を拒否され、オーストラリアGPに参加できないような事態になった場合、われわれはレースをすることができない。不公平であり、それは選手権ではなく、非選手権と言われることになるだろう」と語っていたからだ。

 問題はそれだけではない。オーストラリア・ビクトリア州の最高健康責任者であるブレット・サットンが、F1チームのスタッフに、新型コロナウイルスの陽性反応が出た場合、オーストラリアGPそのものを中止にする可能性があることを示唆していた。

 そして、走行を前日に控えた3月12日木曜の現地23時20分。本来であれば、メディアセンターが閉まる時間だが、まだメディアセンターには4人のジャーナリストが残っている。

 残っているのはジャーナリストだけではない。FIAのスポークスマンもまだいた。そのスポークスマンによれば、「全チームの代表が集まっている」という。

 もちろん、残って話し合われている議題はマクラーレンの撤退を受けて、このままオーストラリアGPを開催するかどうかだ。「スポーティングレギュレーションとコンコルド協定に沿って、9チームで開催できるかどうかを話し合っている」のだという。

 また「マクラーレンのスタッフが陽性だったことは、すでにビクトリア州の関係各局にも伝えているが、まだ彼らからの返答は来ていない」とのことで、サットン再考健康責任者からの開催中止要請は今のところは届いていないようだ。

 果たして、開幕戦オーストラリアGPは開催することができるのか、あるいは中止なのか。深夜のメルボルンで重要な会議が行われている。

—–追記—–
3月13日、午前0時05分。
 
 メルボルン市内で行われていると思われるミーティングについて、F1は声明のなかで「すべての関係当局と調整しているところだ」と発表した。つまり、現時点でまだ決定は下されていない。

 なお、オーストラリアン・グランプリ・コーポレーションからも、次のような声明が発表された。

「オーストラリアン・グランプリ・コーポレーション(AGPC)は現在、F1の8名のスタッフの検査結果に関して、F1、FIA、および保健社会福祉省からアドバイスを受けているところだ」

「これら8ケースのうち、7人は陰性で、彼らはCOVID-19ウイルスの感染者ではないことが確認されている。しかしながら、8例目はCOVID-19ウイルスの陽性という結果となり、その人物がマクラーレンに所属していることが判明している。そして、マクラーレンはオーストラリアGPから撤退したという報告を受けた」

「AGPCは現在、このテスト結果のより広範な意味に関して、F1、FIA、および保健社会福祉省と話し合っている」

「さらに、9人目の人物がCOVID-19ウイルスについて検査を受けており、検査の結果は保留中だ。この人物は、F1チーム、FIA、または関連サプライヤーとは関係ない」

「AGPCは、詳細が利用可能になり次第、最新の情報を提供する」

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