「40-40」と同等の難易度 隠れた大記録「20-20-20-20」

メジャーリーグの世界で「40-40」(40本塁打&40盗塁)の達成者が過去に4人しかいないことは広く知られている。昨季はロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)やクリスチャン・イェリッチ(ブリュワーズ)が記録達成に挑戦したものの、5人目の達成者となることはできなかった。その「40-40」と同様に、過去に4人しか達成者がいない隠れた大記録がある。「20-20-20-20」(20二塁打&20三塁打&20本塁打&20盗塁)である。

「20-20-20-20」の達成者は「40-40」と同様に、長いメジャーリーグの歴史上、わずか4人しかいない。つまり、「40-40」と同等の難易度を誇る大記録と言っても差し支えないだろう。過去に4人しかいない「20-20-20-20」の達成者だが、最後にこの記録が達成された2007年には各リーグで達成者が誕生。カーティス・グランダーソン(当時タイガース)は38二塁打、23三塁打、23本塁打、26盗塁を記録し、ジミー・ロリンズ(フィリーズ)は38二塁打、20三塁打、30本塁打、41盗塁をマークしてナショナル・リーグMVPに選出された。

グランダーソンとロリンズの記録達成から遡ること50年。1957年にはジャイアンツのスター外野手、ウィリー・メイズが26二塁打、20三塁打、35本塁打、38盗塁をマークして史上2人目の「20-20-20-20」達成者となっている。メジャーリーグ史上初めて「20-20-20-20」を達成したのは1911年にカブスでプレイしたフランク・シュルトであり、30二塁打、21三塁打、21本塁打、23盗塁を記録してロリンズ同様にナショナル・リーグMVPを受賞した。

2000年以降、シーズン20三塁打を記録した選手は、グランダーソン(2007年に23本)とロリンズ(2007年に20本)のほかにクリスチャン・グスマン(2000年に20本、当時ツインズ)しかおらず、「20三塁打」は「40本塁打」や「40盗塁」よりもはるかに達成が難しい記録となっている。パワーとスピードを兼ね備えていても、長打の多くが本塁打となってしまう選手が「20-20-20-20」を達成するのは難しく、5人目の達成者の候補となる選手は限られる。

メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンは、史上5人目の達成者となる可能性のある選手として、オジー・アルビーズ(ブレーブス)、ムーキー・ベッツ(ドジャース)、バイロン・バクストン(ツインズ)、トミー・エドマン(カージナルス)、ギャレット・ハンプソン(ロッキーズ)、アダルベルト・モンデシー(ロイヤルズ)、ルイス・ロベルト(ホワイトソックス)、フェルナンド・タティスJr.(パドレス)、トレイ・ターナー(ナショナルズ)の9人の名前を挙げている。

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