新型コロナウイルス関連 「マジェスティックレゴン」などを展開する(株)シティーヒルが民事再生

 (株)シティーヒル(TSR企業コード:570989965、法人番号:2120001081117、大阪市中央区博労町4-5-9、設立1988(昭和63)年6月、資本金5000万円、中田勉社長)は3月16日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は、猿木秀和弁護士(弁護士法人三宅法律事務所、大阪市中央区今橋3-3-13、電話06-6202-7873)ほか。監督委員は、加藤清和弁護士(梅田総合法律事務所、大阪市北区堂島1-1-5、電話06-6348-5566)。
 負債総額は約50億円。
 「新型コロナウイルス」関連倒産は6社目。この他、2社が経営破たんしており、関連破たんは合計8社となった。

 18~34歳をターゲットとしたヤングカジュアルを主体にレディースアパレルの企画販売を展開。当初は卸中心だったが、その後、店頭小売業に転換。1995年に直営1号店の「マジェスティックレゴン」をオープンした。以降、ファッション誌やメディアを活用した積極的なブランド開発や店舗展開を進め、主要ブランドの「マジェスティックレゴン」のほか、「ルクールブラン」、「ペルルペッシュ」を持つ。
 販売チャネルも店頭小売に加え、ECサイトの活用などで業容を拡大し、ピークの2016年2月期の売上高は143億9736万円をあげていた。
 しかし、ここ数年は流行の変遷から主要ブランドの小売店舗での売れ行きが鈍化。著名ファッション通販サイトとの関係強化でEC向けは好調に推移したが、売上高は頭打ちの状況になっていた。2019年2月期は、テレビドラマ「帰ってきた家売るオンナ」で女優の北川景子さんが「マジェスティックレゴン」を着用し、知名度が向上したが、地震や台風などの天災で一部店舗が運営できない事態も生じ、売上高は137億2839万円に低迷した。
 また、収益も在庫処分や不採算店舗の退去費用などが嵩んだほか、EC販売強化に伴う経費増などで2017年2月期から3期連続で赤字を計上、資金繰りが逼迫していた。このため、2019年秋に金融機関へ借入金返済のリスケジュールを要請していた。

 余裕のない資金繰りが続くなか、2020年も「新型コロナウイルス」の感染拡大の影響で、2月以降の売上が減少。手形の決済資金を確保できず、今回の措置となった。

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