WEC:次世代LMP2メーカー選考は「公開入札をすべき」とジネッタ会長

 イギリスのコンストラクターであるジネッタは、指定LMP2メーカーの4社の中に含まれていないにもかかわらず、次世代LMP2および、LMDhプラットフォームのベース車メーカーとして認められよう働きかけを続けている。

 現在、WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているジネッタの会長、ローレンス・トムリンソン氏はSportscar365に対し、どの企業を指定メーカーから外すかを決定する入札プロセスにジネッタが含まれるべきだったと考えている、と語った。

 2017年にLMP2メーカーの指定を受けたイタリアのダラーラ、フランスのリジェ・オートモーティブとオレカ、アメリカのマルチマチックは、現行規定の最終年となる2022年以降も新LMP2規定のコンストラクターとして引き継がれている。この4メーカーが製造する新しいシャシーは2021/22年シーズンのWECではLMDhとして、2022/23年からはLMP2として展開される予定だ。

 トムリンソンによれば、1月のデイトナで行われたLMDhの概要発表の際に前述の4社が確認されるまで、新しいLMP2規定下のメーカー入札手続きは行われなかったという。

「もし、これが4社である必要があるなら、公開入札プロセスがあるべきだ」と語った同氏。

「私たちは勝つかもしれないが、負けるかもしれない。いずれにしても入札制度があってしかるべきだ。または、LMP3のように5つのコンストラクターを認めるべきだ。4つと5つの違いはなんだろうか?」

「トップレベルのグリッドにスペースがないというわけではない」

「ACOフランス西部自動車クラブの堅実なパートナーとして、私たちはプロセスに参加したいと強く望んでいる。参加できない理由が分からないんだ。我々が参加できない理由があるならば、私は彼らに尋ねなければならない」

 トムリンソンは次世代のLMP2と、LMDhのベースシャシーを提供するコンストラクターを決める入札プロセスがないことを知って「ショックを受けた」と述べている。

 ジネッタは現行LMP2規定のコンスタクターになるための入札では落選。その代わりにLMP3カスタマープログラムに加えて、独自のLMP1カー、ジネッタG60-LT-P1を製作しLMP1プログラムに乗り出した。

「(新規定の)入札プロセスは元々3カ月または4カ月前に行われる予定だった」とトムリンソンは語った。

「誰かがWECの会議で私のところに来て、(現行LMP2規定を)もう1年延長するつもりだと言ったので、1年後に次のプロセスに参加することにしたんだ」

「私はすぐにフォームを完成させて、入札プロセスが実施されるのを待っていた。ところが、その後、私にとっては奇妙であると言わなければならない発表をみることになったんだ」

「私たちは見過ごされてきたが、彼らが私たちが参加したいと考えていることを理解してくれていることを願っている」

「ジネッタは実績のあるパートナーであり、プロセスから排除されるべきではない。彼らが我々を指定コンストラクターに含めることができ、それが理にかなっていることだと理解するのを願っているよ」

 ジネッタ会長は、LMP2がスポーツカーレースで利用可能な他のどのカテゴリーよりもプロトタイプ・コンストラクターにとって経済的機会を提供すると付け加えた。

「IMSAのイベントでハイパーカー(LMH)が使えるのであれば、私たちにとってはLMHの方が適していると思う」と彼は説明した。

「しかし、LMP2は私たちのビジネスケースの重要な部分を占めている。LMP3のクルマは基本的に原価で販売されているため、このカテゴリーでお金を稼ぐ人は誰もいないんだ」

「このビジネス・ケースをジネッタに導入するためにもLMP2が本当に必要だった。とくにLMP2シャシーとLMP1プログラムの開発に何百万ポンドも費やしたことを考えると、なおさらだ」

WECのLMP1クラスに参戦しているチームLNTのジネッタG60-LT-P1・AER
2015年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦したジネッタ・ニッサン

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