連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」のモデルとなった(株)立木写真館が破産

 (株)立木写真館(TSR企業コード:840057393、法人番号:5480001001036、徳島市仲之町1-38、設立1963(昭和38)年4月、資本金1000万円、立木俊太郎社長)は3月16日、徳島地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には森晋介弁護士(森法律事務所、同市新蔵町1-82、電話088-602-4556)が選任された。
 負債総額は4億7227万円。

 1883年に立木写真館として創業した老舗の写真館。三代目:立木香都子氏のバイタリティー溢れた経営と明るいエピソードが注目され、その半生が1980年、NHKの連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」のモデルとして採用されるなどして業績も伸長傾向をたどり、1989年7月期には売上高約6億5000万円を計上した。
 1990年11月には7階建写真館を新築したが、バブル崩壊後は環境が急変し、たびたび赤字を計上するようになった。その後は地域密着型経営により約2億円の年間売上高で推移していたが、スマートフォンの普及、結婚式の簡素化、核家族化進行に伴う需要低迷等の煽りを受け減収で推移。2019年7月期の売上高は約1億1000万円まで落ち込んだ。
 撮影用デジタル機器導入などで借入金への依存度は高く、同業者との競合も激しく、支えきれなくなり今回の措置となった。

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