パナソニック、AIネットワークカメラ3機種・拡張ソフトウェア2種を発売

近年、AIを活用したシステムの普及がさまざまな分野で進んでいる中、セキュリティ業界でもAIの活用で多くの課題を解決することが可能になってきている。AIによる高精度な解析により、従来は人手にたよっていた監視防犯業務をより効率的に運営することができるようになった。今回、パナソニックi-PROセンシングソリューションズ株式会社は、セキュリティシステムi-PRO EXTREMEシリーズの新製品でAIプロセッサーを搭載したネットワークカメラ「Xシリーズ」3機種と、AIプロセッサーに対応した機能拡張ソフトウェア2種を7月から発売する。今回発売するネットワークカメラ3機種には、ネットワークカメラ本体にシリーズ初となる、専用のAIプロセッサーを搭載している。このAIプロセッサーによって、従来のネットワークカメラでは難しかった映像の分析・解析等の高負荷のAI処理をカメラ内で行い、サーバー側で行っていたAI処理の負荷が分散され、監視システム全体を効率よく構築、運用することができる。また、分析・解析した結果をさまざまな外部機器と連携させ、幅広いニーズに合わせたソリューションの提供が可能となる。主な特長は以下の通り。

1. システムの負荷分散を実現するAIプロセッサーをネットワークカメラ内に搭載ネットワークカメラ本体にAIプロセッサーを搭載した。さまざまなアプリケーションを追加することで、カメラが捉えた映像を自ら解析し、解析結果など必要となる情報を映像と合わせて上位システムに受け渡すことが可能だ。人が介在することなく、AIが自動識別、判定を行い、高い精度での認識結果を通知し、大幅な省力化を可能にする。カメラ側で複雑な処理を行う「エッジ処理」という考え方で、上位のシステムやサーバー側の負荷を軽減し、効率的なシステムの構築や運用を実現する。
2. AI処理により、これまで以上に高精度な検知、識別、判定を実行し、画質の向上にも貢献、監視防犯業務にいっそう適した映像を実現カメラ内で実行されるAI処理により、これまで以上に高精度な検知、識別、判定を行うことができる。時間や天候、季節などで変化する周辺環境へ自動的に対応し、従来のカメラでは困難だった環境下での認識性を向上した。カメラの周辺状況をAI処理により解析し、最も適した設定を自動選択することで、露光やシャッタースピードを最適化する従来のインテリジェントオート機能にもさらに磨きがかかり、結果として監視防犯業務に適した映像が捉えられる。
3. ネットワークカメラ1台に最大3つのアプリケーションを追加可能、サードパーティによるアプリケーション開発も可能で、ネットワークカメラの可能性が拡大ネットワークカメラ3機種に搭載しているAIプロセッサーは最大3つのアプリケーションを追加できる。ネットワークカメラ本体に搭載されたAIプロセッサーを活用して、さまざまな分野、市場に適したアプリケーションを追加する。

また、このAIプロセッサーに対応した機能拡張ソフトウェアとして、「AI動体検知アプリケーション」と「AIプライバシーガードアプリケーション」の2種を同時発売する。

  • AI動体検知アプリケーション(WV-XAE200W)任意に指定されたエリアへの進入を自動で判別し、警告の通知などを行う。進入したものが自動車(4輪車)、バイク、自転車(2輪車)、人なのか自動で判別可能だ。車両禁止エリアへの車両の侵入、車両専用エリアへの人の侵入などを自動で検知する。
  • AIプライバシーガードアプリケーション(WV-XAE201W)カメラに映った人の顔や姿全体に、自動でモザイクをかけることができる。映り込んだ人のプライバシーや肖像権保護のため、映像上で個人を特定できないようにする。例えば、工場の生産ラインの状態監視を行うような場合、そこで作業する従業員のプライバシーへの配慮や、スーパーなどで売り場の映像を店内に流すような場合でも買い物客の個人が特定できないようにするといった対応が可能だ。

製品発売に併せて、サードパーティでAIネットワークカメラにインストールするアプリケーションの開発を可能にするソフトウェア開発キット「i-PRO Camera SDK」の提供も開始する。さまざまな分野、市場にノウハウを持ったサードパーティと連携が可能になることで、ネットワークカメラの活用範囲が拡がる。なお、i-PRO Camera SDKの提供には秘密保持契約の締結が必要となり、サードパーティによるアプリケーションを使用する場合は、AIプロセッサー解除ライセンスが必要になる場合がある。今回発表したネットワークカメラとソフトウェアは、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社を通じて販売する。

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