ミッドシップワンボックスの常識を覆した逸材
エスティマが「天才タマゴ」と呼ばれるのには、ミニバンの常識を変えただけではなく、ミッドシップレイアウトの常識までも覆したことにある。
重量物であるエンジンは、車体中央の床下のミッドシップに搭載されているが、右に75度も傾けて縦置きされた。ミッドシップならではの優れた操縦性を実現しながら、ミッドシップの弱点であった室内の狭さや実用性の低さを克服したパッケージングが「天才タマゴ」と呼ばれる由縁だ。
全幅が1800mmあったことで、日本には大きすぎるという声があがり、5ナンバー規格に収めたエスティマ ルシーダ/エスティマ エミーナを1992年に追加設定。2.2リッターのディーゼルターボエンジンが搭載されヒット作となった。
1994年には、フルサイズ版エスティマのエンジンをスーパーチャージャー付きに変更しパワー不足を解消。2000年まで製造販売されたが、ミッドシップレイアウトのエスティマは初代限りで終了となる。
スペックや価格
■全長×全幅×全高:4750×1800×1780~1820mm
■価格:296.5~335万円
■エンジン:2.4L 直列4気筒DOHCガソリン/2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ
■駆動方式:MR/4WD
■トランスミッション:4速AT/5速MT
■製造期間1990年~2000年