空港、IC、駅…拠点結ぶ路線新設 大村市が計画案

 大村市が、今後の市内公共交通のあり方をまとめた「市地域公共交通再編実施計画案」を作成した。2022年度の九州新幹線長崎ルートの暫定開業を見据えた高速交通ネットワーク構築のほか、郊外での予約型乗り合いタクシーの導入、市街地での路線バス運行間隔の短縮などが柱。新年度から調整などに入り、21年度から順次実施する予定。
 高速交通ネットワークでは長崎空港、大村インターチェンジ(IC)、新幹線新駅をジャンボタクシーで結ぶ路線を新設予定。高速交通の拠点を接続することで、県内外への移動の利便性を向上させる。
 郊外では「野岳湖」~「野岳入口」、「黒木」~「坂口」、「今村」~「久原」区間の昼間帯(午前10時~午後3時台)の運行手段を、予約型乗り合いタクシーに変更。1時間に1便程度の運行を確保する。朝夕の路線バスはこれまで通り運行する。
 市街地では「野岳入口」~「向木場」、「坂口」~「向木場」区間の昼間帯、市役所や長崎医療センター、大村駅などを通る「南部循環線」の昼間帯を30分に1便程度の運行に増便。新幹線新駅や在来線新駅などを通る「北部循環線」も新設する。
 再編により市は、路線バスなどの利用者数が年間98万8千人(18年度)から106万3千人(24年度)に増えるなどの効果を見込む。今後、地域住民向けの説明会も予定しており、市商工振興課は「バスや運転手が限られる中、全体的に利便性を向上させることに重点を置いた」としている。

 


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