今後の運営方針についてMLB機構と選手会が正式に合意

日本時間3月28日、新型コロナウイルスの感染拡大によりレギュラーシーズンの開幕が延期となっているなか、選手のサラリーやサービスタイムの扱いなどの諸問題について、オーナー会議の場で全会一致により承認され、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会のあいだで正式に合意が成立した。短縮シーズンでの開催が有力視されているが、レギュラーシーズンを10月まで、ポストシーズンを11月まで行う可能性も含め、できる限り多くの試合を開催する方針となっている。

まず、選手のサービスタイムについては、通常であれば172日が1年分として扱われるが、実際に行われる試合数にかかわらず、シーズンを通してアクティブ・ロースターまたは故障者リストに登録された選手は1年分のサービスタイムを保証されることになった。また、シーズンが中止となった場合は、2019年シーズンと同じサービスタイムが各選手に与えられることになっている。なお、既存の出場停止処分は、2020年シーズンが中止の場合、2021年シーズンには持ち越されない。

各球団のトランザクションについては、日本時間3月28日をもって、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会によって決定される日時までのあいだ、すべて凍結されることになった。今季が強行日程で開催される場合、選手の負担を軽減するためにロースター枠が拡大される可能性もあるが、現時点では合意内容に含まれておらず、今後議論が進められることになる。

今年のドラフトについては、当初は6月10日(現地時間)に行われる予定だったが、7月20日(現地時間)まで延期される可能性がある。また、従来は40巡目まで指名が行われていたが、最少の場合、5巡目までに縮小される可能性がある。指名された選手が即座に受け取れる契約金は最大10万ドルに設定され、残りの金額の半分を2021年7月1日(現地時間)まで、残りの金額のもう半分を2022年7月1日(現地時間)までに受け取ることになっている。また、ドラフトで指名されなかった選手が得られる契約金は最大2万ドルに制限されている。さらに、2021年のドラフトも20巡目までに縮小される可能性がある。

国際フリーエージェント選手との契約については、次の契約可能期間のスタートが2020年7月2日(現地時間)から2021年1月15日(現地時間)まで延期される可能性がある。ドラフト指名権や国際フリーエージェント選手との契約金のボーナス・スロットをトレードすることは禁止された。

このほか、選手やファンの安全が確認されるまでシーズンを開幕しないこと、ポストシーズンの出場チーム数が拡大される可能性があること、メジャーリーグ機構がメジャーリーグ選手会に4~5月分のサラリーとして1億7000万ドルを支払うこと、などが現地の記者によって報じられている。シーズン開幕に向けて、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を見ながら、さらなる議論が行われることになりそうだ。

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