4月から20%弱の値下げ!? 自賠責保険料が値下げされた理由とは?

自賠責保険料 2020年4月から 自家用車

2020年4月1日以降の契約は自賠責保険料が値下げ

自賠責保険料 2020年4月から 自家用車

2020年4月1日以降の契約では、それ以前に比べて保険料が安くなっている。購入時に納める37か月契約の場合、自家用小型/普通乗用車の保険料は、従来は3万6780円だったが、2020年4月1日以降は3万170円だ。6610円値下げされ、比率に換算すると18%引き下げられた。

継続車検を受ける時に納める24か月契約(2年分)は、従来は2万5830円だったが今は2万1550円だ。4280円値下げされ、比率にすれば17%引き下げられた。

軽自動車の自賠責保険料も安くなった。軽自動車の37か月契約は、従来は3万5610円だったが今は2万9550円だ。6060円・17%引き下げられた。継続車検時に納める24か月契約は、従来は2万5070円だったが今は2万1440円だ。3930円・14%の引き下げとなった。

自賠責保険料が安くなった理由は「保険収支の均衡」

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自賠責保険料が安くなった最も大きな理由は、自賠責保険料が値上げと値下げを意図的に繰り返していることだ。自賠責保険は任意保険と異なり、「保険収支が儲かっても損をしてもいけないこと」になっている。そこで単純にいえば、値上げした時には保険料収入が保険金支出を上まわり、保険料を溜め込む。次は値下げして、保険金支出が保険料収入を上まわり、いわば赤字になって溜め込んだ保険料を吐き出す。

このように自賠責保険料の値上げと値下げを繰り返することで、保険収支を均衡させ、儲かっても損をしてもいけない原則を守る仕組みを採用している。

また自賠責保険が対人賠償に限られることも影響した。任意保険が値上げされる主な理由は、クルマの修理費用が高まり、対物賠償や車両保険の保険金支出が増加傾向にあるからだ。その点で自賠責保険が補償するのは対人賠償のみだから、車両の修理費用が高まっても保険金支出は影響を受けない。

乗員のケガなどに関する補償も、加害車両については、任意保険の人身傷害や搭乗者傷害がカバーするから、自賠責保険の対象外だ。自賠責保険(自賠責共済を含む)の支出額は、この10年間ほどの間は減少傾向にあるため、保険料も安くなった。

変動によるユーザーへの影響は?

ただしユーザーから見れば、自賠責保険も保険商品の一種だ。意図的に値上げと値下げを繰り返し、保険収支を一定に保つやり方は不親切と受け取られる。今回のように値下げされる時は良いが、値上げされると予想外の出費が増えてしまう。

仮に値上げと値下げを繰り返すとしても、少額に抑えて欲しい。自賠責保険料の平均的な推移を振り返ると、2011年に11.7%の値上げ、2013年も13.5%の値上げ。2017年は6.9%の値下げ、2020年は16〜17%の値下げとなった。値上げと値下げを繰り返すとしても、変動の範囲を10%以内に抑えるべきだ。

次回の改定はいつ? 保険料はどうなる?

37か月契約の場合、2020年4月1日以降は3万170円だが、過去には4万円を超えた時期もあった。今後も同様の金額に戻る可能性がある。

気になるのは、今の自賠責保険料がいつまで続くかだが、おおむね3年ごとに改定されている。このサイクルが維持されるとすれば、次回の改定は2023年頃だ。2017年と2020年に値下げされ、特に後者は値下げ幅が大きかったから、今までの流れを踏まえると次回は値上げだろう。我々の生活はラクではなく、特に今後は自動車ユーザーも高齢化が著しくなるから、値上げするとしても5%以下に抑えて欲しい。

[筆者:渡辺 陽一郎]

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