壱岐市長選 一騎打ちの両候補者に聞く

森俊介氏(左)、白川博一氏(右)

 5日告示された壱岐市長選は、4選を目指す無所属現職の白川博一氏(69)=自民、公明推薦=と、無所属新人で元「壱岐しごとサポートセンターIki-Biz」センター長の森俊介氏(35)が立候補し、一騎打ちとなった。12日の投開票に向け、立候補の動機や、壱岐が直面する課題への対応などについて両候補者に聞いた。=届け出順= 

■質問
(1)立候補の動機
(2)重点施策
(3)壱岐の課題
(4)選挙の争点
(5)座右の銘と趣味

■白川博一氏(69)=無所属・現=「SDGsで施策推進」

 (1)壱岐市を3期12年にわたりリードしてきた。その中で新しく取り組んでいるものもたくさんある。その道筋を付けたい。
 (2)今の施策の基となっているのは国連の持続可能な開発目標(SDGs)。13番目の目標に「気候変動に具体的な対策を」とある。市は水素混焼エンジンの計画を進め、2020年には実際に使うよう取り組んでいる。気候非常事態宣言もパフォーマンスではない。壱岐は1次産業の島だが、今は漁業が危機的な状況にあり、既にイスズミの駆除に市単独で予算を付けている。五島市の藻場再生の取り組みなどを学びながら漁協、県、大学も交えて具体的に取り組みたい。
 (3)地域の課題を地域で解決することが究極的な地域振興だと思う。行政でフォローできない課題を解決していくのが(小学校区単位で構成する)まちづくり協議会。地域の意見を反映できるよう、ぜひ(取り組みを)やっていただきたい。(新設を考えている)図書館と併設した場所に、インターネットを活用した学習ができる施設をつくりたい。健康寿命と平均寿命の差を縮めるため、健診の充実も必要だ。
 (4)争点は挑戦者が言うべきこと。私は今まで続けてきた施策をやる。
 (5)「進取」。過去の慣習にこだわらず、常に新しい挑戦をする。趣味は読書。上杉鷹山が好き。為政者としての理想。貧乏な藩を立て直し、辛抱して自分の思いを成し遂げていく辛抱強さが素晴らしい。

■森俊介氏(35)=無所属・新=「財政健全化を最優先」

 (1)「Iki-Biz」の仕事で市の相談を受けることが多く、(市の財政について)もったいないことも目についていた。一般の相談者から出馬してほしいと言われることが多くなり、自分なりに市長の仕事を考えた時、変えなければならないことやもったいないことを改善できると思い、立候補を決意した。
 (2)一番優先順位が高いのは財政の健全化。これを解決しないと何もできない。民間出身、経営者の経験といった強みを生かせる部分でもある。指定管理については島外への外注で丸投げになっている。島外に流れ過ぎているお金を島内循環させることができれば、経済がよくなる。
 (3)事業の見直しをしなければならない。今は事業の動きやお金の問題が見えない状態になっている。きちんと可視化し、市民の目に触れることで、チェック機能として働く。そういう状態にしたい。
 (4)現状推進か変化か。何となく投票するのではなく、自分が壱岐市の未来をどうしたいのかについて考え、そこに近づくのはどちら(の候補者)か、きちんと見比べてほしい。
 (5)小説に出てくる言葉「強くなければ生きていけないけれど、優しくなければ生きる価値がない」。仕事をしてきた中で腕一つで稼ぐ感覚があるが、そのために他人を蹴落としていいとは思っていない。自分の向上心を持ちつつ周りを気にする人間でありたい。
 趣味は読書。小説が一番好き。

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