初当選にはあと1歩及ばなかった。新人の森俊介さん（35）は現職に僅差で敗北。郷ノ浦町の選挙事務所では、ケーブルテレビの中継で開票の動向を見守っていた支持者らの間に重苦しい空気が立ち込めた。
民間の感覚を生かした市政の刷新を打ち出した。草の根で支持を広げ、新市政への期待や現職への批判の受け皿になったが、組織力で劣った。新型コロナウイルスの感染拡大による集会自粛なども影響した。
約50人が詰め掛けた選挙事務所。開票結果が判明すると、涙を流す支持者もいた。「ごめんね」と家族に声を掛けた森さん。支持者を前に「勝ちきれなかったのは自分の未熟さ。皆さんを引っ張る位置にいけず、申し訳なく思う」と無念さをこらえるように話し、頭を下げた。
