テレビ会議 医療強化 望む声 長崎県と各市町 緊急事態宣言 飲食、観光業の支援策を 県独自の経済対策に期待

緊急事態宣言への対応について意見交換したテレビ会議=県庁

 緊急事態宣言の全国拡大を受け、県が17日に県内21市町との意見交換のために開いたテレビ会議。市長や町長は、県が示した対応方針に理解を示す一方、感染拡大に備えた医療体制の強化や、深刻な打撃を受けている飲食業や観光業への早急な支援策を求めた。
 テレビ会議は冒頭以外非公開。6人の感染者が確認されている佐世保市の朝長則男市長は「ドライブスルー方式での感染症外来を早く設置してほしいと強く求めた」。対馬市の比田勝尚喜市長は離島の医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さを訴え、離島部への旅行自粛を県が呼び掛けるよう要請。「長崎大などが開発した迅速検査機器を対馬などにも早く配備してもらうようお願いした」という。
 長崎市の田上富久市長は「医療体制構築が非常に重要。県を中心にいろいろ取り組んでもらっているが、市の取り組みとも連携してほしい」と注文を付けた。医療機関でのマスクやガウンなど医療物資の不足を訴える声も上がり、県は海外や県内の縫製企業に発注していると説明した。
 松浦市の友田吉泰市長によると、経済対策に対する要望も多かった。「各自治体からは国の臨時交付金の配分額や、その時期について一日も早く国に提示するよう求める声が相次いだ。県独自の対策についての期待の声もあった」という。大村市の園田裕史市長は「公共施設の利用などに関して全市町で対応を統一すべきだ」と訴えた。諫早市の宮本明雄市長は、同市小長井町は佐賀県太良町と生活圏が重なるとして、県の「県境を越える帰省や旅行を控えてほしい」という要請について、表現の配慮を求めた。
 緊急事態宣言の全国拡大については、北松小値賀町の西村久之町長は「全国で統一した方が情報共有や危機管理をしやすい」と評価した。一方、北松佐々町の古庄剛町長は「広がりを考えれば当たり前の対応だが、安倍首相にはもっと早く決断してほしかった」と苦言も呈した。

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