新型コロナウイルスの影響でキャンセル相次ぎ、結婚式場・ビジネスホテル「アンジェリーク平安」(熊本県)を経営する人吉観光交通(株)が破産

 人吉観光交通(株)(TSR企業コード:910128472、法人番号:8330001015964、人吉市宝来町1340-7、設立1955(昭和30)年7月、資本金3000万円、田中裕二社長)は4月24日、熊本地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には榎崇文弁護士(京町法律事務所、熊本市中央区京町2-14-25、電話096-324-3255)が選任された。
 負債総額は約7億円。

 タクシー業を目的に人吉観光タクシー(株)として設立し1982年10月、現商号に変更した。1997年4月には関連会社の(株)平安閣を吸収合併して結婚式場・ビジネスホテル「アンジェリーク平安」を併営し、ピーク時の2000年3月期には売上高約10億5000万円を計上した。
 しかし、2007年4月にレストラン部門、2008年9月にタクシー部門を分社化。さらに同業他社との競合や披露宴の少人数化などを背景に売上減少が続き、2019年3月期の売上高は約2億8900万円まで落ち込み、設備投資による借入負担が重荷となっていた。
 この間、社有資産の一部売却などで負債圧縮に努める一方、金融機関より返済猶予措置を受けて経営の立て直しを図ってきたものの、新型コロナウイルスの影響で挙式の延期やキャンセルが相次いで発生し、4月21日より営業を停止していた。

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