コロナ落ち着いたら旅に出よう 父の“理念”胸に逆境生き抜く 山脇さん「観光業に携わる限り動画配信続ける」

「ひと味違った視点と情報を発信したい」と動画編集に励む山脇さん=波佐見町

 波佐見焼のブランド化を追い風に観光客が増加した東彼波佐見町にも、新型コロナウイルスは影を落とした。旅行業などを営む会社の収益の約7割を占める観光部門で大打撃を受けている。
 「観光業に携わる限り、発信は続けたい」と動画投稿サイト「ユーチューブ」での映像配信を始めた。町内外の人や場所を訪ねる様子を自ら撮影、編集し、随時公開している。
 「落ちついたら、旅へ出かけよう」が合言葉。全国的な外出自粛の中でも「面白い町がある」と知ってほしい。町の重鎮である波佐見焼振興会長にアポなしで突撃したり、同世代の経営者に近況を聞いたり、普通の観光情報とはひと味違う視点を心掛けている。
 10年前に東京からUターン。父が中古車販売から始めた会社の観光事業を拡大してきた。同世代の仲間と手を組み、町おこしにも積極的に動いた。「地元を元気にすることが、会社を元気にする」。経営の大先輩に教わった言葉の意味を実感した10年だった。
 だから今は、めげずに立っていたい。創業時に父が掲げた理念が、逆境を生き抜く道しるべだ。「地域と共に歩み、共に生きる」。あらためて胸に刻む。

 


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