「また楽しめて うれしい」 長崎県美術館が再開 感染防止策を徹底

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため約1カ月半、臨時休館していた県美術館が25日開館した。入館時に非接触型体温計で検温するなどさまざまな感染防止策がとられた=長崎市出島町

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館していた長崎市出島町の県美術館が25日、約1カ月半ぶりに開館し、コレクション展などを再開した。入館時の検温のほか、感染発生時に備えて連絡先を記入してもらうなどの防止対策を取っている。
 同館は4月10日から休館。4~6月に予定していた「デザインあ展 in NAGASAKI」「改組新第6回日展長崎展」など大型企画展が相次いで中止された。当初は4月に4万2800人、5月に6万1千人の来館を見込んでいた。
 来館者のマスク着用、消毒を徹底し、開館時間は午前10時~午後6時(通常は同8時)に短縮。カフェの営業や、ギャラリートークなど同館主催イベントは当面休止する。
 25日の来館者数は180人にとどまり、会場の人影はまばら。休館前まで毎週来ていたという長崎市の坂本正太郎さん(69)は「素晴らしい作品をまた楽しむことができてうれしい」と話した。
 小坂智子館長(63)は、今後の新型コロナへの対応について「感染状況、新しい生活様式に合わせた展覧会の内容や展示方法、運営の在り方を考えていく。まずは県民の財産である所蔵作品をしっかり公開することで美術館の役割を果たしたい」と話した。
 同市立山1丁目の長崎歴史文化博物館も同日再開。開館時間を午後5時までに短縮し、検温、連絡先を聞くなどの対応をとった。

人影がまばらなコレクション展会場で作品を鑑賞する来館者=長崎市、県美術館

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