県外客に1泊5000円助成など 長崎県がコロナ対策159億円 事業者感染防止に10万円 経済活動と感染予防の両立向け

県の5月専決補正予算の主な新規事業

 長崎県は28日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、経済活動と感染予防の両立に向けた緊急対策を決めた。6月19日から県外の観光客を誘致するため、県内の宿泊施設1泊当たり1人5千円を助成。業種別のガイドラインに沿って感染防止策に取り組む中小・小規模事業者に必要経費として最大10万円を支援することなどを決めた。関連経費を盛り込んだ総額約159億2900万円の本年度一般会計補正予算を28日付で専決処分。財源には地方創生臨時交付金などを充てる。
 中村法道知事は会議後に記者会見し、「徐々に経済活動の拡大に向けた施策を強化する必要がある。感染状況の推移に合わせて支援する」と述べた。
 補正予算は▽県内の経済活動の回復・拡大▽感染防止の「新しい生活様式」の対応などに向けた環境整備▽感染症の予防・拡大防止と県民生活の安心・安全確保-の三つが柱。

県外からの観光誘客など経済対策について説明する中村知事=県庁

 県外からの誘客キャンペーンは、7月末までに県内の宿泊施設を利用した場合、1泊当たり5千円を助成する。6月1日からの県民の県内宿泊への助成と合わせ、約8億円を盛り込んだ。
 多くの消費者らと接する飲食業やサービス業らが、ガイドラインに基づき消毒液や飛沫防止シートなどを設置した場合、1事業者当たり10万円を上限に支援。約3万7千事業者を見込んでいる。また中小の製造業や機械設計業者が手洗い場の設置やドアの自動化などに取り組んだ場合も、30万円~150万円を補助する。
 県産品のテレビショッピング支援として、通販大手ジャパネットたかた(佐世保市)と連携し、売り上げが減少している陶磁器やそうめんなどの地場産品の販売促進を図る。4月の補正予算に約5億円を計上していた「観光地受入態勢ステップアップ事業」は4億5千万円を追加した。
 中村知事は、県境を越える移動の自粛を6月1日に解除すると発表。緊急事態宣言が解除されて間もない北海道や関東1都3県への移動は慎重な判断を求め、感染者が再び増加している北九州市などとの往来は十分注意するよう求めた。


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