森きらら移設の可否判断 当面見送りへ 佐世保市議会

 定例佐世保市議会は8日開会。各常任委員会が始まり、総務委で市は、九十九島動植物園(森きらら)の移設について、可否の判断を当面見送ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で、施設整備や運営について民間事業者から意見を聞く段階に進めないためとしている。
 森きららを巡っては、老朽化などに対応するため、市は俵ケ浦半島の観光公園に全天候型施設を整備する形で移転が可能か検討。昨年度調査を始め、本年度までに可否を判断し、基本設計など関連経費の予算化を目指していた。
 昨年度の調査の結果、市は、移設先での施設整備費を約43億6千万円と試算。民間事業者との連携などで収益性を高め「投資回収を含めて採算が取れる可能性がある」とみていた。
 しかし、新型コロナの影響で、民間事業者から事業への参加意欲などを聴取できない状況となり、市は移設の検討を一時中断すると決めた。市企画部の中島勝利部長は「(再開は)社会情勢などを総合的に判断した上で市議会に相談する」と述べた。
 常任委に先立つ本会議では、新型コロナ対策として、プレミアム付き商品券の発行支援費などを盛り込んだ総額約20億2200万円の本年度一般会計補正予算案など25件を上程。朝長則男市長は市民に感染症対策の徹底を呼びかけた上で、「市内での買い物や飲食、イベントへの参加など日常的な経済活動の再開も積極的に取り組んでほしい」と述べた。

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