世界平和を祈り揮毫 長崎西高書道部 「キッズゲルニカ」初の書作品

真剣な表情で筆を運ぶ書道部員=長崎西高

 長崎市竹の久保町の県立長崎西高(本村公秀校長、833人)で9日、書道部の1、2年生14人が、縦3.5メートル、横7.8メートルの大型キャンバスに平和への願いを込め「世界平和」などと書いた大作を揮毫(きごう)した。国内外の子どもたちが制作した“平和壁画”を、毎年8月に同市松山町の下の川(爆心地公園そば)に飾る「キッズゲルニカ」で、初の書作品として制作した。
 キッズゲルニカは市民団体「長崎親善人形の会(瓊子の会)」(山下昭子会長)が県内で取り組み、今年で14回目。ピカソの反戦壁画「ゲルニカ」と同サイズの作品をワークショップなどで制作してもらう。今年は新型コロナウイルス禍のため今月から制作が本格化。同校を含む県内の5点に、県外や海外の作品を合わせた十数点を展示予定。
 同校の敷地には長崎原爆投下時に旧制県立瓊浦中があり、原爆で400人以上が犠牲になった。揮毫は同会が長崎西高書道部に依頼。開始前に山下会長があいさつし「追悼と祈りを込め、文字を通して平和発信を」と述べた。
 部員は分担して、教室の床に敷いた白いキャンバスにアクリル絵の具を使って揮毫。「被爆75周年祈念」「長崎から世界へ つなごう命 平和な未来」などと書いた周囲に、「世界平和」を意味する30カ国語の虹色の文字を配した。約1時間かけ完成させた。
 同部の荒川菜々美部長(2年)は「いい作品ができた。見る人に明るい未来を想像し、平和が一番だと思ってもらえたらうれしい」と話した。

平和の願いを込めて完成させた作品

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